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- 信頼性への取り組み: Lenovo公式の製品ページ・保証の案内、当時の報道と米FTCの発表、調査会社IDCの統計を確認して書いている。
- 主な参考元: Lenovo公式 保証・サポート | Lenovo公式 米沢生産 | 米FTC(英語)
「ThinkPadはやめとけ」と検索すると、Lenovo(レノボ)全体の悪い評判がたくさん出てくる。ただ、その中にはThinkPadと関係のない話も混ざっている。
この記事では、ThinkPadに絞って「やめとけ」と言われる理由を10個取り上げ、どこまで本当か、どうすれば避けられるかを整理する。結論は次のとおりである。
- 「やめとけ」には、Lenovoのほかのシリーズや昔の機種の話も多く混ざっている。2015年のSuperfish問題はThinkPadには入っていなかったとLenovoが説明している
- 本当の弱点は、見た目の地味さ、安い構成の画面、メモリを増設できない機種、納期、わかりにくい値段の5つ
- 見た目・ゲーム・店頭ですぐ欲しいを重視する人には向かない。キーボードと頑丈さを重視して仕事に使う人には今もおすすめ
- 新品は2026年10月時点のLenovo公式の情報で書いている
- 「〜という声がある」は、口コミやレビューで多かった意見。事実と分けて書いている
やめとけと言われる10の理由
先に、10個の理由と実際のところを表にまとめる。詳しくはこの下で1つずつ説明する。
| 言われること | 実際は | 対策 |
|---|---|---|
| 見た目がださい | 黒くて四角い。好みは分かれる | X1 Carbonなど薄い上位機種を見る |
| Fn・Ctrlの位置 | 2024年ごろから一般的な並びに(機種による) | 古い機種は設定で入れ替え |
| 画面が暗い・色が薄い | 安い構成のパネルは色が薄い | sRGB 100%やOLEDの構成を選ぶ |
| メモリを増やせない | X1・X13・T14sは直付け | 16GB以上で買う |
| 届くのが遅い | 2〜3週間かかる構成がある | 出荷目安を確認してから注文 |
| 値段がわかりにくい | 「標準価格」から大きく割引 | 実売価格の推移で判断 |
| 重い | 最軽量クラスではない | X1・X13なら1kg前後 |
| サポートが不安 | 評判は分かれる | 延長保証・プレミアサポート |
| 壊れやすい | 根拠の多くは古い機種 | 新しい世代を選ぶ |
| 中国メーカーで危ない | SuperfishはThinkPad対象外 | 勤め先の決まりを確認 |
1. 見た目が地味で「ださい」と言われる
ThinkPadは、黒くて四角いデザインと赤いトラックポイントが基本である。IBM時代から大きく変えていないので、「おじさんっぽい」「ださい」という声は昔からある。MacBookのような華やかさを求める人には、確かに合わない。
一方で、この見た目は「どこに持って行っても浮かない仕事道具」として好まれてもいる。ロゴやLEDも控えめで、会議やお客さんの前でも目立たない。
対策:見た目が気になるなら、X1 Carbonのような薄い上位機種も見てみたい。家電量販店で実物を見てから決めるのが確実である。
2. FnとCtrlの位置が独特
昔のThinkPadは、キーボードの左下の角がFnキーで、その右がCtrlキーだった。ほかのパソコンと逆なので、Ctrl+Cのつもりで押し間違える、という不満は多い。
ただし、2024年のX1 Carbon Gen 12などから、左下がCtrlの一般的な並びに変わってきている。古い並びの機種でも、BIOSやLenovo Vantageの設定で2つを入れ替えられる。
対策:今の機種の並びは、購入前に製品写真で確認する。2つのキーを入れ替える手順は、次の記事にまとめている。

3. 安い構成は画面の色が薄い
Eシリーズなど価格の安い構成では、色の薄い(NTSC比45%)液晶が使われていることがある。たとえばE14 Gen 6の標準的なWUXGA液晶は、Lenovoの仕様書で300nit・NTSC比45%である。文書作成なら困らないが、写真や動画を見ると色が物足りない。少し前のT14・L14には、250nitとさらに暗いパネルもあった。
注意したいのは、日本のLenovo公式ストアの仕様欄には明るさ(nit)が書かれておらず、色の広さも書かれていない機種があることだ。
対策:写真や動画を扱うなら、「sRGB 100%」と書かれた液晶やOLEDの構成を選ぶ。書かれていない場合は、Lenovoのチャットで確認するとよい。
4. メモリをあとから増やせない
昔のThinkPadは、メモリを自分で増やせるのが魅力だった。ところが今は、X1 Carbon・X13・T14sなど薄型の機種はメモリが基板に直付けで、あとから増やせない。「昔のThinkPadと違う」という不満はここから来ている。
ただし、E14 Gen 8やT16 Gen 4はメモリスロットが2つあり、P16 Gen 3は4つある。T14は世代とCPUでスロットの有無が変わる。
対策:直付けの機種は、最初から16GB以上を選ぶ。増設したいなら、スロットのある機種を選ぶ。対応機種は次の記事で一覧にしている。

5. 注文してから届くまで時間がかかる
Lenovo公式ストアでは、カートに入れると出荷の目安が「5営業日以内」「2週間前後」「3週間前後」などと表示される。構成を選んで注文すると、届くまで2〜3週間かかることも珍しくない。Lenovoも、この目安は約束ではないと書いている。
対策:急ぐなら「5営業日以内に出荷」の構成を選ぶ。X1 Carbon Gen 13やX13 Gen 6などは、山形県の米沢で生産する「米沢生産モデル」を選べ、受注から最短5営業日で届く(Lenovoの法人向けストアの案内)。
6. 値段がわかりにくい
Lenovo公式ストアでは、高い「標準価格」から「Eクーポン」などで大きく割引した価格が表示される。「50%オフ」と書かれていても、ふだんから割引されているので、本当に安いのかがわかりにくい。週末や月初めでも価格が変わる。
対策:割引率ではなく、実際に払う価格の推移で判断する。ThinkNaviではLenovo公式の価格を毎日記録している。

7. 最軽量クラスではない
ThinkPadは頑丈さを優先しているので、軽さだけを競う機種ではない。たとえばX1 Carbon Gen 14は約977g〜、T14s Gen 7は約1.07kg〜、E14 Gen 8は約1.34kg〜である。富士通のFMV Zero(最軽量構成で約634g)のように、もっと軽い14型もある。
対策:毎日持ち歩くならX1 CarbonかX13を選ぶ。とにかく軽さが最優先なら、ThinkPad以外も比べたほうがよい。
8. サポートの評判が分かれる
「電話がつながりにくい」「修理に時間がかかった」という声はある。一方で、国内の修理はNECパーソナルコンピュータの群馬事業場が担当しており、引き取り修理の流れは整っている。
ThinkPadの基本保証は1年で、有償で最大5年まで延ばせる。落下や水こぼしを補償する「アクシデント・ダメージ・プロテクション」や、専任の窓口につながる「プレミアサポート」もある。保証の年数と、ThinkPadを何年使えるかの目安は「ThinkPadは何年使える?寿命と買い替えの目安」にまとめている。
対策:仕事で毎日使うなら、購入時に3年以上の保証をつける。アクシデント・ダメージ・プロテクションは、製品の購入から90日以内に申し込む必要がある。
9. 「壊れやすい」という声がある
「X1 Carbonは壊れやすい」「Eシリーズは壊れやすい」という声もある。ただ、よく挙げられる不具合は、2017〜2019年ごろのX1 Carbonのもので、今の世代で大きなリコールは見つからなかった。IdeaPadなど安い個人向けモデルの体験談が混ざっていることも多い。詳しくはThinkPadは壊れやすい?で説明する。
10. 中国メーカーなので不安
Lenovoは中国で生まれた会社で、「情報が抜かれるのでは」という不安の声がある。よく例に出されるのが、2015年のSuperfish問題である。ただし、Superfish問題はThinkPadには関係がなかった。Lenovoは世界シェア1位のメーカーで、ThinkPadは世界中の企業が使っている。詳しくは次の見出しで説明する。
Superfish問題はThinkPad対象外
先に結論を書くと、Superfish問題の対象は個人向けのノートで、ThinkPadには入っていなかった。Superfish問題とは、2014〜2015年に一部のLenovo製ノートパソコンに、広告を表示するソフト(Superfish)が最初から入っていた問題である。このソフトは通信の安全性を弱めるおそれがあり、大きく報道された。
- 対象は、Lenovo G・Flex・Yogaなど、当時「Lenovo」ブランドで売られていた個人向けのノートだった。対象リストにある「E」はLenovo E10-30という別の機種で、ThinkPad Eシリーズではない
- Lenovoは当時、ThinkPadのノート・デスクトップ・タブレットなどには入れていないと説明した
- レノボ・ジャパンも、ThinkPadシリーズは影響を受けないと案内した
出典:LenovoのCTOの説明(英語の報道)、窓の杜(2015年2月)
このあとLenovoは、アメリカの連邦取引委員会(FTC)と2017年に和解し、2018年に確定した。広告を差し込むソフトなどを入れるときは利用者の同意を取ること、外部の評価を受けるセキュリティの体制を20年間続けることを約束している。Lenovoという会社が問題を起こしたことは事実なので、隠さずに書いておく。
「情報が抜かれる」心配は?
「中国メーカーのパソコンは情報が抜かれる」という声もよく見かける。ただ、次の事実を見ると、ThinkPadにそうした仕組みが入っているとは考えにくい。
- Lenovoは世界シェア1位のパソコンメーカーである。調査会社IDCが2026年10月に出した速報値では、2026年7〜9月の世界の出荷台数シェアは約24%で1位、前年の同じ時期も1位だった(IDC・英語)
- ThinkPadの主な客は世界中の企業である。情報を抜く仕組みが見つかれば、いちばん大きな取引先を一度に失うことになる
- Superfish問題のあと、Lenovoは米FTCとの約束で、外部の評価を受けるセキュリティの体制を20年間続けることになっている
- 2026年10月時点で、ThinkPadから情報が抜かれたことを示す公的な調査結果は見つからなかった
一方で、アメリカでは国務省(2006年)や国防総省の監察総監(2019年)が、Lenovo製品のリスクに触れたことがある。ただし、全面的に使用を禁止したわけではない。世界一のメーカーが、いちばんの客である企業を裏切る仕組みを入れるのは割に合わない、と考えるのが自然だろう。
今のThinkPadは、日本の大和研究所(横浜)が開発の中心で、一部は山形県の米沢で生産されている。それでも、規則で中国メーカーの製品を使えない職場はあるので、仕事で使うなら勤め先の決まりは確認しておきたい。
ThinkPadは壊れやすい?
ThinkPadは、アメリカ国防総省の試験規格(MIL-STD-810H)に沿ったLenovo独自の試験を受けている。ただし、これは軍の認証ではなく、壊れないことの保証でもない。
X1 Carbonが壊れやすいと言われる理由
「X1 Carbonは壊れやすい」と言われるときによく挙げられるのは、次の2つの不具合である。どちらも古い世代の話である。
- X1 Carbon 第5世代(2017年):製造時のミスでネジが外れ、バッテリーを傷つけるおそれがあり、2018年に無償点検した。米沢生産のモデルは対象外だった(BCN)
- X1 Carbon 第5〜7世代など:Thunderboltのファームウェアの不具合で、USB-Cポートが使えなくなることがあった。Lenovoは更新を呼びかけたが、これは予防のためで、すでに壊れたポートは修理が必要になる(Notebookcheck・英語)
今のX1 Carbon(Gen 10〜14)で、リコールのような大きな不具合は見つからなかった。
Eシリーズが壊れやすいと言われる理由
Eシリーズは、TシリーズやX1より安く、ボディに樹脂を多く使っている。そのため「たわむ」「ヒンジが弱い」という声がある。ただ、故障が多いことを示すデータやリコールは見つからなかった。
「Lenovoは壊れやすい」という話には、IdeaPadなど個人向けの安いモデルの体験も混ざっている。ThinkPadとほかのシリーズの違いは、次の記事で比べている。

ThinkPadをやめとけな人
次に当てはまるなら、ThinkPad以外も比べたほうが満足しやすい。
| こんな人 | 理由 | 代わりの候補 |
|---|---|---|
| 見た目を重視したい | デザインは地味で、色も黒が中心 | MacBook Air、Yoga |
| ゲームをしたい | ゲーム向けの性能ではない | Legion、LOQ |
| 写真・動画の色にこだわる | 安い構成は画面の色が薄い | OLED構成、MacBook |
| とにかく軽いノートがほしい | 1kgを切るのはX1 Carbonなど一部 | FMV Zeroなど軽さ重視の機種 |
| 今日・明日に使いたい | 公式ストアは届くまで日数がかかる | 家電量販店の店頭モデル |
| 手厚いサポートがほしい | 標準の保証は1年 | パナソニック、Dynabook |
ThinkPadが向いている人
逆に、次のような人には今もThinkPadがおすすめである。
- 文字を打つことが多く、打ちやすいキーボードがほしい
- 毎日持ち歩くので、頑丈さを重視したい
- 同じ性能なら、国内メーカーより安く買いたい
- トラックポイントを使いたい、または使ってみたい
ThinkPadが選ばれる理由は、次の記事で詳しく紹介している。

中古ThinkPadの注意点
中古のThinkPadは、会社で使い終わったリース品が多く出回っていて安い。ただ、「安かったのに使えなかった」という失敗もある。買う前に次の4つを確認したい。
| チェック項目 | 確認すること |
|---|---|
| CPUの世代 | Windows 11に正式対応する世代か(Intelは第8世代以降。長く使うなら第11世代以降) |
| BIOSのパスワード | パスワードがかかっていないか。解除できないと修理が必要 |
| バッテリー | 残りの容量の表示や、交換・保証があるか |
| 買う場所 | 保証のある中古パソコンの専門店か |
フリマアプリでは、説明と違う部品が入っていた、という例もある。おすすめの世代と選び方は次の記事にまとめている。

後悔しない買い方
ここまでの弱点は、選び方でかなり避けられる。新品で買うなら、次の3つを押さえておきたい。
- 画面:写真や動画を見るなら、sRGB 100%の液晶やOLEDの構成を選ぶ
- メモリ:増設できない機種が多いので、16GB以上を選ぶ
- 買う時期:値段は毎週変わる。セールや値下がりを待ってから買う
いま人気のThinkPadの最安価格は次のとおり(2026年10月19日時点、Lenovo公式の最安構成)。
どれを選ぶか迷ったら、用途別に選んだ次の記事を参考にしてほしい。

よくある質問
- ThinkPadはやめとけって本当?
-
本当に向かないのは、見た目重視の人、ゲームをしたい人、すぐに手元にほしい人である。キーボードと頑丈さを重視して仕事や勉強に使うなら、今もおすすめできる。
- Superfish問題はThinkPadにも関係ある?
-
ない。Superfishが入っていたのは、Lenovo G・Flex・Yogaなど個人向けのノートで、LenovoはThinkPadには入れていないと説明している。
- 中国メーカーのThinkPadは情報が抜かれる?
-
そうした仕組みが見つかったという公的な調査結果は見つからなかった。Lenovoは世界シェア1位のメーカーで、ThinkPadは世界中の企業が使っている。勤め先に規則がある場合はそれに従う。
- ThinkPadはださい?
-
黒くて四角いデザインなので、好みは分かれる。仕事道具として目立たないことを好む人も多い。X1 Carbonなどの上位機種は薄く、印象が違う。
- ThinkPadは壊れやすい?
-
よく言われる不具合は、X1 Carbon 第5〜7世代など古い機種のものである。新しい世代で大きなリコールは見つからなかった。
- ThinkPadはどこで作られている?
-
多くは中国の工場で作られ、メキシコやインドにも工場がある(国別の割合は公表されていない)。日本向けの一部の機種は、山形県のNECパーソナルコンピュータ米沢事業場で生産する「米沢生産モデル」を選べる。開発は横浜の大和研究所が中心である。
まとめ
「ThinkPadはやめとけ」と言われる理由の多くは、Lenovoのほかのシリーズや古い機種の話である。とくにSuperfish問題は、ThinkPadには入っていなかった。
本当の弱点は、見た目の地味さ、安い構成の画面、メモリを増設できない機種、納期、わかりにくい値段である。どれも、構成と買う時期を選べば避けられる。
見た目やゲームを重視するなら、ほかのパソコンも比べたい。打ちやすさと頑丈さを重視するなら、ThinkPadは今も有力な候補である。
ThinkPadの買いどきを知りたい方へ
今すぐ買わなくても大丈夫です。Lenovo公式の価格は毎日記録しているので、値下がりやセールを待ってから選べます。







