CES 2026にて、ThinkPadのフラッグシップ「X1 Carbon」が劇的な進化を遂げて登場しました。今回の新型(Gen 14)は、単なる性能向上に留まりません。
大和研究所が筐体設計をゼロから書き直したことを意味する開発呼称「CS26(Clean Sheet 2026)」を冠し、近年失われつつあった「道具としての信頼性」を異次元のレベルで再定義しています。
本記事では、Lenovo公式情報に加え、開発リーダーへの独自取材や詳細な実機レビューを報じている以下の4つの主要ソースを徹底的に分析。それらを統合した【4つの視点から紐解く、大和研究所の「解答」】として、その熱すぎる進化の全貌をどこよりも深く解説します。
【関連記事・主な出典元】
大和研究所、渾身の新設計

今回の新型は、大和研究所が筐体設計をゼロから見直した際にのみ冠する開発呼称「CS26(Clean Sheet 2026)」として誕生しました。
996g維持。軽さと最新AIが融合
X1 Carbonの代名詞である「軽さ」へのこだわりは、今回も徹底されています。
- 究極の軽量化: 内部構造を劇的に刷新しながら、最小構成で996gを実現。1kgを切る機動力はそのままに、さらなる剛性を手に入れました。
- 素材の進化: 天板には100%バイオベースのカーボンファイバーを採用。環境に配慮しつつ、ディスプレイの端を掴んで持ち上げてもたわまない強靭さを維持しています。
- 最新の心臓部: Intelの最新CPU「Core Ultra Series 3(Panther Lake)」をいち早く搭載。AI処理を担うNPU性能が向上し、外出先でもストレスのない高度なAI体験(Copilot+ PC)を可能にします。
「軽さを求めて性能を犠牲にする」という妥協を一切許さない、まさにThinkPadの哲学を体現した設計となっています。
新構造で「修理のしやすさ」激変

今回のGen 14で最も衝撃的な進化が、内部骨格「スペースフレーム(Space Frame)」の採用です。薄型化の代償として失われつつあった「自分で直せる喜び」が、ついに帰ってきました。
iFixitも絶賛。裏蓋の開閉が容易に
これまでの薄型モデルは、キーボード一つ替えるのにもマザーボードを外す大手術が必要でした。しかし、新型は構造が「サンドイッチ状」に一新されています。
- 驚きの整備性: 底面のネジを外すだけで、キーボードやバッテリー、さらには冷却ファンまで簡単にアクセス可能。修理サイトiFixitで9/10という、モバイルノートとしては異例の高スコアを獲得しました。
- マグネット固定: 従来の「折れやすいプラスチックのツメ」を減らし、マグネットによる固定を併用。専用工具がなくても、パチンとスムーズに開閉できる心地よさを実現しています。
キー1個から交換OK。日本発の改善
さらに嬉しいのが、キーボードの修理コストを劇的に下げる新設計です。
- キートップだけ交換OK: 従来は1キーの破損でユニット丸ごとの交換が必要でしたが、キー単位での交換が可能に。
- サプライヤーの壁を突破: 部品メーカーごとに異なっていた内部構造をLenovo独自仕様で統一。どのメーカーのキーボードでも同じキートップが使えるようになりました。これは、大和研究所が日本市場からの熱い要望を世界標準へと押し上げた成果です。
実用性UP!右側充電と冷却強化
スペック表の数字以上に、日々の使い勝手を劇的に変えるのがインターフェースと冷却性能の進化です。ユーザーの「かゆいところに手が届く」アップデートが施されています。
待望の右側Thunderbolt 4搭載

長年、多くのユーザーが切望していた「右側へのThunderbolt 4(USB Type-C)搭載」がついに実現しました。
- 左右どちらからでも給電: これまでは左側にしかポートがなく、電源の配置によってはケーブルを取り回す必要がありました。Gen 14なら、コンセントの位置に合わせて左右好きな方から充電が可能です。
- USBポートの個別交換: 最も故障しやすいUSB-C端子を独立したパーツ化。万が一端子が物理的に破損しても、高価なメイン基板を交換せず、端子部分だけを低コストで交換できます。
大型ファンで30Wの持続性能を実現
内部では、マザーボードを両面実装にすることで基板のサイズを約3分の2に小型化。そこで生まれた余白を、冷却性能の向上に充てています。
- 30Wの持続出力: 従来より1.8倍も大型化したデュアルファンを搭載。熱設計(TDP)のターゲットを従来の25Wから30Wへと引き上げました。
- 静音とパワーの両立: 冷却効率が20%向上したことで、負荷のかかる作業でもファンが激しく回る頻度を抑え、より静かでパワフルな動作を持続させます。
最高峰「Aura Edition」の実力
今回のGen 14は、Intelとの共同開発による特別な「Aura Edition」として、ソフトウェアとハードウェアの両面で次世代のユーザー体験を提供します。
最大級タッチパッドと10MPカメラ

内部構造の「スペースフレーム」化により、アンテナ配置などをミリ単位で最適化した結果、操作性も大きく向上しました。
- 広大なハプティックタッチパッド: ヒンジ周りの小型化により、キーボード位置を上部へシフト。空いたスペースを最大限に活用し、ThinkPad史上最大級のタッチパッドを搭載しました。触覚フィードバック(ハプティック)により、どこを叩いても均一で心地よいクリック感が得られます。
- 10MPの超高画質カメラ: Webカメラは1,000万画素(10MP)へと大幅進化。110度の広角レンズと「Immervision」による歪み補正技術により、ビデオ会議での映像がこれまでになくクリアで自然になります。
- Smart Modes: 仕事、集中、プライバシー保護など、作業状況に合わせてPCの設定をAIが自動最適化。また、スマホをPCにタップするだけで写真や動画を瞬時に共有できる「Smart Share」など、直感的な機能が満載です。
単にスペックが高いだけでなく、使う人の「感性」に寄り添う工夫が随所に散りばめられています。
【比較】Gen 14 vs Gen 13
新旧モデルを比較すると、AI性能と整備性が飛躍的に向上していることがわかります。
| 項目 | 最新 Gen 14 (2026) | 前世代 Gen 13 (2025) |
| CPU | Core Ultra Series 3 | Core Ultra Series 2 |
|---|---|---|
| NPU性能 | 最大 50 TOPS | 最大 48 TOPS |
| 熱設計(TDP) | 30W | 25W |
| 最軽量構成 | 約 996g | 約 986g |
| 右側USB-C | あり (Thunderbolt 4) | なし (左側のみ) |
| カメラ | 10MP (歪み補正付) | 8MP (MIPI) |
| 整備性 | Space Frame (iFixit 9/10) | 従来構造 |
| キー交換 | 1キー単位で交換可 | ユニット丸ごと交換 |
| メモリ | 最大 64GB (9600MT/s) | 最大 64GB (8400MT/s) |
まとめ:愛着を持って長く使える一台へ

ThinkPad X1 Carbon Gen 14は、単なるスペック競争から一歩抜け出し、「道具としての完成度」を極めた一台です。
薄型軽量というトレンドを追いながらも、ユーザー自身で修理できる「スペースフレーム」構造を採用したことは、これからのAI PC時代における新たなスタンダードになるでしょう。
「右側から充電したい」「キーが一つ壊れただけで修理に出したくない」といった、現場の切実な声に応えたこのマシンは、まさにビジネスパーソンのための最強の相棒と言えます。
米国での発売は3月、価格は1,999ドル〜の予定。日本での正式リリースを楽しみに待ちましょう!

