「ThinkPad X9ってどんなモデル?」
「X1 CarbonやTシリーズと何が違うの?」
「今選ぶべき構成は?」
そんな疑問を持って検索してきたあなたに向けて、本記事では最新のThinkPad X9 Aura Editionを徹底解説します。
ThinkPad X9は、LenovoとIntelが共同開発した次世代AI PC「Aura Edition」として登場した新シリーズ。従来のThinkPadの堅牢さやキーボードの良さはそのままに、トラックポイントの廃止や触覚タッチパッド、OLEDディスプレイ、Lunar Lake搭載など、あらゆる面で進化を遂げています。
しかも、サイズは14インチと15.3インチ、CPUやメモリ構成、キーボード配列、タッチパッドまで選べるカスタマイズ性の高さも魅力。これまでThinkPadを使ってきた人も、これから選ぶ人も、本記事を読めば自分に最適な1台の選び方が見えてきます。
この記事では、特徴や違い、構成の選び方から、おすすめモデルの比較、ユーザー評価まで、ThinkPad X9に関するすべてを網羅。最新のThinkPadをじっくり理解したうえで納得して選びたい方にとって、最良のガイドになるはずです。
はじめに:ThinkPad X9とは?
2025年登場の新シリーズの概要
ThinkPad X9は、Lenovoが2025年に発表した新しいプレミアムノートPCシリーズであり、次世代のAI対応デバイスとして設計されたモデルです。特に注目すべきは、Intelとの共同開発により誕生した「Aura Edition」という革新的モデルで、AIとユーザー体験の融合を追求した設計思想が反映されています。
デザイン面でも大胆な変化が見られ、従来のThinkPadの象徴であるTrackPoint(赤ポチ)を廃止し、ハプティック(触覚)フィードバック対応の大型タッチパッドを採用。キーボードや筐体デザインも一新され、ミニマルでモダンな仕上がりとなっています。

CPUにはIntel Core Ultra(Lunar Lake)シリーズを搭載し、NPU(ニューラルプロセッシングユニット)によるAI処理に特化。Lenovo独自の「AI Now」機能やMicrosoft Copilotとの連携により、日常の作業を効率化し、パフォーマンスとバッテリー寿命の最適化を図ります。
ThinkPad X9 Aura Editionは、単なるスペックの進化ではなく、「PCがユーザーを理解し、寄り添う存在になる」という新たなビジョンを体現する一台です。従来のThinkPadファンはもちろん、最先端のAI活用に興味のあるユーザーにも刺さる未来志向のノートPCといえるでしょう。
従来のThinkPadとの違い(例:TrackPointの廃止)
ThinkPad X9 Aura Editionは、従来のThinkPadシリーズとは一線を画す革新的な変化を遂げたモデルです。最大の違いは、ThinkPadの象徴とも言える「TrackPoint(赤いポッチ)」の廃止です。1992年の初代ThinkPad以来、長年ユーザーの支持を集めてきたこのポインティングデバイスが姿を消したことは、大きな転換点といえるでしょう。
TrackPointに代わり採用されたのは、ハプティックフィードバックに対応した大型の触覚タッチパッドです。これにより、物理的なクリック感を模した自然な操作感と、広い操作エリアによる快適なジェスチャー操作が可能となり、タッチパッド中心のインターフェースへと大きく舵を切っています。
また、キーボードも一新されており、打鍵感の最適化と共に、新たに「Copilotキー」が追加されました。これはWindowsのAIアシスタント「Copilot」を即座に呼び出せる専用キーで、AIとのインタラクションをより身近なものにしています。
デザイン面でも、従来の無骨なThinkPadの印象から脱却し、丸みを帯びたエッジやアルミ素材の採用など、現代的で洗練されたルックに生まれ変わっています。耐久性や堅牢性といったThinkPad伝統の美点はそのままに、操作性と見た目の両面で新しい時代のニーズに応える仕様となっています。
このように、ThinkPad X9 Aura Editionは、従来のThinkPadの「保守的・堅実」なイメージを打ち破り、革新と洗練を追求する新たな選択肢として登場しました。
Aura Editionの特徴と目的

ThinkPad X9 Aura Editionは、LenovoとIntelが共同開発した次世代AI PCです。その最大の特徴は、最新のIntel® Core™ Ultraプロセッサーを中核に、AIを活用してユーザー体験を革新する“スマートなPC”として設計されている点にあります。
Aura Editionは単なる高性能ノートPCではありません。AI処理専用のNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)を搭載することで、1秒間に最大45兆回の演算処理が可能となり、AIアプリケーションの応答性や並列処理能力が格段に向上。これにより、より直感的で、ユーザーに寄り添うインタラクティブな体験が可能になります。
特筆すべきは「Smart Modes」というAIベースの自動切り替え機能です。Aura Editionは、ユーザーの状況に応じて以下のようなモードを自動で切り替え、最適な環境を構築します。
- シールドモード:近くに人がいることを検知し、画面をぼかしたり、VPN接続を促すことでセキュリティとプライバシーを強化。
- アテンションモード:通知やアプリの動作を制限し、集中して作業できる静かな環境を提供。
- コラボレーションモード:オンライン会議時に背景のぼかしや顔の明るさを自動調整し、プロフェッショナルな映像体験を実現。
- エコモード:バッテリー駆動時に電力消費を抑えつつ、パフォーマンスのバランスを最適化。
- ウェルネスモード:目の休憩を促すアラートや、姿勢・集中の維持を支援する提案を行い、デジタル・ウェルビーイングをサポート。
さらに、スマートフォンとの連携にも注力しており、「Smart Share」機能を使えば、写真をスマホで撮影してPCにタップするだけで即座に転送可能。Android/iOS双方に対応しており、デバイス間の垣根を意識することなくシームレスに作業が進められます。
Aura Editionは、ユーザーが“設定を考える”必要をなくし、「今何をすべきか」をPCが先回りして判断・支援してくれる新しいスタイルのThinkPadです。まさに“優れたPC”のその先を目指した、AI時代の先駆けと言える一台です。
Smart Modes 機能一覧表
モード名 | 主な目的・特徴 | 主な利用シーン |
---|---|---|
シールドモード | データのセキュリティとプライバシーを強化。 VPN接続の推奨、覗き見検知で画面ぼかしなどを実施。 | カフェ・公共スペースなど |
アテンションモード | 通知やアプリを一時ブロックして集中力を維持。 選択したドメインやアプリ以外を一時的に抑制。 | 集中して作業したいとき |
コラボレーションモード | オンライン会議向けに背景ぼかし・明るさ補正・バーチャルプレゼンター表示などを自動調整。 | ビデオ会議・プレゼン時 |
エコモード | バッテリー消費を抑えつつ、システムパフォーマンスを最適化。 バッテリー寿命と性能のバランスを実現。 | 外出先・バッテリー駆動時 |
ウェルネスモード | デジタル・ウェルビーイングを促進。 目の休息や姿勢改善を促すアラートやアドバイスをAIセンサーが提供。 | 長時間の作業時 |
デザインと筐体の進化
アルミニウム製シャーシとエンジンハブ構造
ThinkPad X9 Aura Editionは、デザイン面でもこれまでのThinkPadとは一線を画す進化を遂げています。最大の特徴は、高精度に加工されたアルミニウムユニボディシャーシの採用です。これにより、従来のマグネシウムやカーボン複合素材に比べて、より剛性と美しさを兼ね備えた仕上がりになっています。
外装は、エッジが滑らかに丸められたミニマルなデザインで、従来のビジネス然とした無骨なスタイルから脱却。パームレストや天板にいたるまで一体感のあるフォルムにより、モダンで洗練された印象を与えます。それでいて、MIL-STD-810H準拠の耐久性は維持されており、過酷な環境でも安心して使用できるタフさを兼ね備えています。
さらに内部構造にも革新が加えられており、「エンジンハブ構造」と呼ばれる新しい設計思想が採用されています。これは、冷却ファンや基板、バッテリー、スピーカーなど主要なコンポーネントを、効率よく中心軸(ハブ)に集中させることで、冷却効率・スペース活用・メンテナンス性を最適化する仕組みです。
この構造によって、よりスリムで静かな筐体設計が実現。特に、冷却においては静音性と効率のバランスが大きく向上し、静かな環境でも快適に作業ができます。
加えて、Aura Editionでは筐体素材の約50%に再生アルミニウムを使用しており、環境への配慮も強化。外観の美しさとサステナビリティの両立も大きな魅力のひとつとなっています。
このように、ThinkPad X9は「ビジネスノート=実用的」というこれまでの常識を覆し、美しさ・堅牢性・静音性・環境配慮のすべてを高次元で融合させた、新世代のモバイルPCに仕上がっています。
MIL-STD-810H準拠の耐久性
ThinkPad X9 Aura Editionは、その洗練されたデザインからは想像できないほど高い耐久性を備えています。Lenovoが長年守り続けてきた「ThinkPadの堅牢性」は、この新世代モデルでもしっかりと受け継がれており、米国国防総省の定める「MIL-STD-810H」規格に準拠した厳しいテストをクリアしています。
MIL-STD-810Hとは、落下、衝撃、振動、湿度、低温・高温、粉塵、高高度など、過酷な環境下における機器の信頼性を評価するための軍用規格です。ThinkPad X9はこの規格に基づき、12以上のカテゴリー・26項目以上にわたるテストをパスしており、移動の多いビジネスパーソンやフィールドワークでも安心して使用可能です。
X9では、軽量かつ高剛性のアルミニウム筐体がこの耐久性に大きく貢献しており、万が一の衝撃や圧力にも本体がたわみにくく、内部コンポーネントをしっかり保護してくれます。
また、ヒンジ部やキーボード部分も堅牢に設計されており、頻繁な開閉やタイピングにも耐えうる設計になっている点も見逃せません。
こうした徹底した品質管理と高耐久設計により、ThinkPad X9は単なるプレミアムノートにとどまらず、過酷なビジネスシーンを支える“信頼のツール”としての役割を果たします。
厚さ13mmのスリムボディ
ThinkPad X9 Aura Editionは、ビジネスノートとしての堅牢性や高性能を維持しながらも、わずか約13mmという驚異的な薄さを実現しています。これは、ThinkPad史上でも屈指のスリムな設計であり、従来のモバイルノートの常識を覆すレベルの薄型化です。
薄さの実現には、筐体内部の構造改革が大きく貢献しています。前述の「エンジンハブ構造」により、冷却システムやバッテリー、スピーカーなどの配置が最適化され、無駄のないスペース設計が可能となりました。その結果、性能や拡張性を犠牲にすることなく、薄型・軽量化が図られています。
また、スリムでありながらも剛性の高いアルミニウムユニボディにより、本体のねじれやたわみに強く、耐久性も十分。通勤カバンやブリーフケースにすっと収まり、持ち運びもストレスフリーです。
このように、ThinkPad X9は「持ち運びやすさ」「美しさ」「堅牢性」という相反しがちな要素を高次元で融合。日々のビジネスシーンをスマートに支える、まさに“次世代のモバイルPC”としての完成度を誇っています。
ディスプレイと視覚体験
14インチおよび15インチのOLEDパネルオプション
ThinkPad X9 Aura Editionは、視覚体験にも一切妥協のないプレミアムなディスプレイを搭載しています。ラインアップには14インチモデルと15インチモデルが用意されており、どちらもOLED(有機EL)パネルを採用。これにより、従来の液晶パネルを大きく上回るコントラストと色表現を実現しています。
OLEDパネルの最大の魅力は、黒が「本当の黒」として表示されること。これにより、映像や画像はより引き締まった印象となり、ドキュメントやウェブ閲覧時の視認性も向上します。また、色域も広く、sRGBはもちろん、DCI-P3などの広色域にも対応しており、写真や映像編集など色再現が重要な作業にも適しています。
さらに、最大2.8Kの高解像度と120Hzの高リフレッシュレートに対応したモデルもあり、なめらかなスクロールや繊細な描写を実現。目の疲れを軽減する低ブルーライト仕様や、DisplayHDR 600準拠によるHDR表示にも対応し、エンタメ用途でも高い満足感を提供します。
サイズ展開については、モバイル性を重視するなら14インチ、表示領域の広さや作業効率を重視するなら15インチがおすすめ。それぞれのワークスタイルや使用環境に応じて、最適なモデルを選べる柔軟性も魅力の一つです。
高精細かつ高性能なOLEDディスプレイにより、ThinkPad X9 Aura Editionは、まさに「目で見て感動できるビジネスノート」と言える仕上がりになっています。
2.8K解像度、120Hzリフレッシュレート、DisplayHDR 600対応
ThinkPad X9 Aura EditionのOLEDディスプレイ搭載モデルは、単に「美しい」だけでなく、視覚表現の精度と滑らかさを追求したハイエンド仕様となっています。中でも注目すべきは、最大2.8K(2880×1800)という高解像度に対応している点です。これにより、文字やグラフィックスが一段とシャープに描写され、表計算や資料作成といった作業でも情報が視覚的に把握しやすくなります。
また、120Hzの高リフレッシュレートに対応しているため、カーソル移動やスクロール、ウィンドウの切り替えといった日常操作が非常に滑らか。従来の60Hz表示では感じられなかった“ヌルヌル感”を体験でき、操作レスポンスの快適さが一段階向上します。これは、動画視聴やゲーム用途だけでなく、日常のビジネス操作でも明確な差となって表れます。
さらに、DisplayHDR 600に準拠しており、HDRコンテンツの再生時には明るい部分と暗い部分のコントラストがより明瞭に。映画や高画質の映像コンテンツを本来の表現力で楽しめるだけでなく、プレゼン資料などのビジュアルインパクトも強化されます。
このように、ThinkPad X9のディスプレイはスペック上の「高さ」だけでなく、**ビジネス・クリエイティブ・エンタメのすべてを滑らかかつ正確に映し出す“道具としての完成度”**が非常に高く、プロフェッショナルにも安心して薦められる仕様となっています。
タッチ対応と非対応モデルの違い
ThinkPad X9 Aura Editionでは、タッチ対応モデルと非対応モデルの両方が用意されており、ユーザーの使い方や好みに応じて選べる柔軟な構成が特徴です。それぞれの違いやメリット・デメリットを理解することで、自分に最適な1台を選ぶ手助けになります。
タッチ対応モデルは、指での直感的な操作が可能で、画面上のスクロールやピンチズーム、ドラッグ&ドロップといった操作をスムーズに行えます。タブレットライクな使い方もできるため、資料閲覧やプレゼン、Web会議時のホワイトボード機能など、直感的な操作を重視するシーンに最適です。
一方で、タッチパネルを搭載する分、ディスプレイ表面が光沢(グレア)仕様になることが多く、反射が気になる環境では視認性がやや下がる場合があります。また、非タッチモデルに比べてわずかに重量や価格が増す点も留意が必要です。
非タッチモデルは、通常のキーボード+タッチパッド操作に特化した構成で、画面の反射を抑えるアンチグレア(非光沢)パネルが多く採用されています。これにより、長時間の作業やテキスト中心の業務でも目の疲れを軽減しやすく、ビジネス文書作成やコーディング、データ入力といった作業に適しています。
要するに、操作の自由度やプレゼン重視なら「タッチ対応」、**集中した作業や視認性重視なら「非対応」**がそれぞれおすすめです。ThinkPad X9はどちらのスタイルにも対応しているため、ワークスタイルに合わせた最適な選択が可能です。
キーボードと操作性の変化
TrackPointの廃止とハプティックタッチパッドの導入
ThinkPadといえば、長年にわたって赤いポッチ「TrackPoint」が象徴的な存在でした。しかし、ThinkPad X9 Aura Editionでは、ついにTrackPointが廃止され、新たにハプティック(触覚)対応の大型タッチパッドが導入されています。これは、操作性・デザイン性・ユーザー体験のすべてを見直す大胆な改革といえます。
新たなハプティックタッチパッドは、クリック感を物理的な動きではなく振動(触覚フィードバック)で再現する仕組み。従来の機械的なクリックボタンとは異なり、パッド全体が均一に“押せる”ような感覚で、どこをタップしても自然な操作感が得られます。また、クリック音も非常に静かで、図書館や会議中など静音が求められる場面でも快適に使用可能です。
タッチパッド自体のサイズも従来モデルより大きく拡張されており、マルチジェスチャーやスワイプ操作がさらに直感的かつ正確に行えるようになりました。これにより、TrackPointによる操作に慣れていたユーザーでも、数日使えばむしろタッチパッドの方が快適に感じられるケースも多いでしょう。
TrackPointの廃止は確かにThinkPadファンにとって大きな変化ですが、その代わりに得られる操作体験の進化は非常に魅力的です。操作性・静音性・デザイン性を高次元で融合したこの新しいインターフェースは、ThinkPadの新章を象徴する存在と言えるでしょう。
キーボードの打鍵感と新しいCopilotキーとFnキーの配置
ThinkPad X9 Aura Editionでは、操作性の中核であるキーボードの設計も大幅に刷新されています。TrackPointの廃止に伴い、キーボード全体のスペース設計が見直され、従来以上に快適な打鍵感と合理的なキー配置が実現されています。
まず注目すべきは、ThinkPad伝統の打鍵感がしっかりと受け継がれている点です。キーのストロークは浅すぎず深すぎず、反発力も適度にあり、タイピング時の指の疲労を感じさせません。キーキャップにはわずかに湾曲が施されており、指先に心地よくフィットする構造はそのままに、より静音性が高められたのも特長です。
加えて、新たに「スマートファンクションキー」群が上段に配置されました。これは従来のF1〜F12キーの列に代わって導入されたもので、AIベースのSmart Modes切り替え、マイクミュート、カメラ制御、ディスプレイの明るさ調整など、実用性の高い機能が一目で分かるアイコン付きで割り当てられています。
特に「Copilotキー」は、Windows 11のAIアシスタントであるCopilotをワンタッチで呼び出せる新要素で、従来の操作フローとは一線を画すAIとの連携が日常の一部になる設計となっています。これにより、音声コマンドや生成AIによるタスク処理がよりスムーズに活用できます。
全体として、ThinkPad X9のキーボードは、長年のタイピング快適性を維持しつつ、AI時代のショートカットと情報アクセスに最適化された進化形といえるでしょう。
パフォーマンスと内部仕様
Intel Core Ultra(Lunar Lake)搭載
ThinkPad X9 Aura Editionの中核を担うのは、Intelの最新アーキテクチャ「Core Ultra(開発コード名:Lunar Lake)」です。これは、従来のモバイルCPUと一線を画す、**AI処理を前提とした設計思想をもつ次世代SoC(システム・オン・チップ)**であり、性能・電力効率・応答性の全てを刷新しています。
Core Ultraは、パフォーマンスコア(Pコア)と効率コア(Eコア)に加え、専用のAIエンジン(NPU:ニューラル・プロセッシング・ユニット)を統合しているのが最大の特徴です。このNPUは最大45TOPS(1秒間に45兆回の演算)の処理性能を持ち、画像処理、音声認識、背景ぼかし、スマートカメラ補正など、ローカルでのリアルタイムAI処理を省電力で実現します。
また、SoC設計の改良により、CPU、GPU、NPU間のデータ転送が高速化され、AIと並行して通常の業務処理やクリエイティブタスク(画像編集・動画エンコード)も快適にこなすことができます。AIと汎用性能の両立が図られたアーキテクチャは、まさにハイブリッドワークや次世代業務環境に最適です。
さらに、このプロセッサはIntelの最新製造プロセス(Intel 20A)によって製造されており、電力効率と熱制御性能にも優れています。バッテリー駆動時でも高いパフォーマンスを維持し、長時間の作業を支えるタフな設計が魅力です。
ThinkPad X9 Aura Editionは、このCore Ultraの性能を最大限に活かすことで、単なる“速いPC”ではなく、“気が利くPC”へと進化。ユーザーが何をしたいかを先回りし、快適な作業体験を提供する次世代マシンとして注目されています。
最大32GBのLPDDR5xメモリと最大2TBのSSD
ThinkPad X9 Aura Editionは、プロフェッショナルユーザーの要求に応える高速かつ大容量のメモリ・ストレージ構成を備えています。搭載されているメモリは、最大32GBのLPDDR5x。これは従来のDDR4やLPDDR4xと比較して、帯域幅が広く、消費電力も抑えられている次世代の高速メモリです。
LPDDR5xはオンボード実装のため交換や増設はできないものの、その分システム全体の省電力性や発熱管理が最適化されており、モバイル用途における長時間駆動とパフォーマンスの両立が可能です。複数のブラウザタブ、AIアプリケーション、オンライン会議、軽度な画像・動画編集などを同時に並行処理しても動作がもたつかない快適さは、X9シリーズならではの強みです。
ストレージには、最大2TBのPCIe Gen4対応SSDを搭載可能。OSやアプリの起動、ファイルの読み書きが高速で、重たいデータや大容量のプロジェクトファイルもストレスなく扱えます。また、SSDの発熱対策も筐体構造と連携しており、パフォーマンスを維持したまま静音性を確保できる点も魅力です。
この構成により、ThinkPad X9 Aura Editionはハイパフォーマンスを必要とするビジネス・クリエイティブ用途にも十分応えるノートPCとなっており、日々の作業効率を大幅に向上させてくれます。
バッテリー駆動時間と急速充電機能
ThinkPad X9 Aura Editionは、モバイル性能にも妥協がありません。長時間の外出先での作業や出張先での使用にも対応できる、優れたバッテリー駆動時間と急速充電機能を備えています。
搭載されているバッテリーは、Intel Core Ultraプロセッサの電力効率に最適化されており、14インチモデルで最大約13〜14時間、15インチモデルでも10時間前後の連続使用が可能とされています(使用環境や設定によって異なります)。これは、Web閲覧や資料作成などの一般的なビジネス用途において、一日中ACアダプターなしでも安心して作業できる水準です。
さらに、Lenovo独自の「Rapid Charge(ラピッドチャージ)」テクノロジーに対応しており、約1時間でバッテリー容量の約80%まで充電可能。例えば、移動中のカフェや空港ラウンジなど、短時間の充電チャンスでもしっかりと再充電できるため、ハードなスケジュールの中でも作業を中断せずに済みます。
USB Type-CポートからのPD(Power Delivery)充電にも対応しており、65W以上のモバイルバッテリーや汎用充電器でも給電可能。標準のACアダプターに加えて、持ち運びに便利なスリムなGaN(窒化ガリウム)充電器を選ぶこともできるため、荷物を軽くしたいモバイルワーカーにも最適です。
このように、ThinkPad X9はパフォーマンスと機動力の両立を図った設計で、出先でも安心して使える「頼れる相棒」としての完成度を高めています。
実際の使用感とユーザーレビュー
実地環境での耐久性と信頼性(海洋生物学者の事例など)
ThinkPad X9 Aura Editionは、カタログスペックだけではなく実際の現場でもその高い信頼性と耐久性が証明されているノートPCです。その象徴的な事例として、海洋保全生物学者 Callie Veelenturf 氏の使用例が挙げられます。
この事例は、Business Insiderの特集記事「This marine biologist relies on AI-powered hardware to help her protect the planet」内で紹介されており、Veelenturf氏は熱帯の島にあるウミガメの産卵地「Bioko Island」で、ThinkPad X9 Aura Editionを実際に使用しています[出典:This marine biologist relies on AI-powered hardware to help her protect the planet]。
記事によれば、調査中に突然の激しい雷雨に見舞われ、ハンモックの下に置いていたPCが水浸しになるというアクシデントが発生。しかし、PCはその後も一切の不具合なく動作を継続し、過酷な気象条件に強い耐久性を実証しました。また、高湿度環境の中でも長期間(5ヶ月間)にわたって安定稼働し続けたことが報告されており、MIL-STD-810H準拠の堅牢設計が実地でも信頼に値することを示しています。
さらに、Smart ModesによるAIサポートや静音・省電力性能も、自然環境下での集中作業を支える要素として高く評価されています。Veelenturf氏自身も、「自然とともに働くうえで、このPCは私のベストパートナー」と称賛しています。
このように、ThinkPad X9 Aura Editionは、**単なる高性能マシンにとどまらず、過酷な現場にもしっかり応える“信頼の道具”**として、リアルな現場からも高い評価を得ています。
ビジネスシーンでの活用事例
ThinkPad X9 Aura Editionは、その高性能とスマート機能によって、さまざまなビジネスシーンにおいても真価を発揮しています。特に、リモートワークやハイブリッドワークが一般化した今、いつでも・どこでも・快適に仕事ができる道具として多くのビジネスパーソンに支持されています。
たとえば、オンライン会議の多い営業職やマネージャー職にとっては、Smart Modesの「コラボレーションモード」が非常に有効です。自動でWebカメラの明るさや背景ぼかしを調整し、マイクミュートやノイズキャンセリングもワンタッチで制御可能。急な会議でも慌てることなく、常にプロフェッショナルな映像と音声を維持できます。
また、タッチ対応の高精細OLEDディスプレイは、商談やプレゼンテーションでの資料表示に最適。タブレットライクな操作も可能で、対面の場面でも相手に資料を見せながら直感的に操作できる点は、大きなアドバンテージとなります。
さらに、AI Boost NPUによる処理の最適化やCopilotキーによるAIアシストの活用により、業務の効率化・自動化も強力にサポート。レポートの要約やデータ分析、文章の生成などを短時間でこなせるため、情報処理や意思決定のスピードが向上します。
一方、出張や移動の多い職種にとっては、13mmのスリムな筐体と長時間バッテリー、急速充電機能が心強い味方に。新幹線やカフェでも快適に作業ができ、ACアダプターなしでも1日を乗り切れる場面が増えています。
このように、ThinkPad X9 Aura Editionは、「高性能なビジネスPC」という枠を超え、“賢く動く、気の利いたパートナー”として多様な働き方に対応する存在です。時間と場所を選ばず、高い成果を出したいすべてのビジネスパーソンにふさわしい一台といえるでしょう。
各レビューサイトの評価まとめ
各レビューサイトの評価を総合すると、ThinkPad X9 Aura Editionは、堅牢性と高性能を兼ね備えたビジネス向けノートPCとして高く評価されています。特に、MIL-STD-810H準拠の耐久性や、Intel Core UltraプロセッサによるAI処理能力、高品質なOLEDディスプレイなどが好評です。
一方で、トラックポイントの廃止や、ポート数の少なさ、バッテリー駆動時間の平均的な長さなど、従来のThinkPadユーザーにとっては注意が必要な点も指摘されています。
総じて、ThinkPad X9 Aura Editionは、最新のテクノロジーと高いモバイル性を求めるビジネスユーザーにとって、有力な選択肢となるでしょう。
各レビューサイトの評価まとめ
サイト名 | 総合評価 | 主な評価ポイント | 留意点 |
---|---|---|---|
StorageReview | ★★★★☆ | MIL-STD-810H準拠の堅牢性<br>- Intel Core Ultra搭載による高性能<br>- 40TOPSのAI処理能力 | トラックポイントの廃止に対する賛否両論 |
the比較 | ★★★★☆ | 高コストパフォーマンス<br>- タイピングのしやすさ<br>- 長時間のバッテリー駆動 | 底面のエンジンハブの出っ張りが気になる |
TechRadar | ★★★★☆ | 高品質なOLEDディスプレイ<br>- 8MP 4Kウェブカメラ<br>- 軽量で持ち運びやすいデザイン | ポート数の少なさ(Thunderbolt 4×2、HDMI) |
Wired | ★★★☆☆ | スリムなデザイン<br>- ハプティックタッチパッドの導入<br>- 静音性の高いキーボード | バッテリー駆動時間が12時間と平均的<br>- カメラのちらつき問題 |
usshi-na-life.com | ★★★★☆ | 15.3インチモデルで1.4kgの軽量性<br>- モバイル性と作業効率のバランス | 特になし |
上記のレビューサイトの詳細な記事は以下のリンクからご覧いただけます:
usshi-na-life.com: ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Edition(15.3型 Intel)レビュー
StorageReview: Lenovo ThinkPad X9 14 Aura Edition レビュー
the比較: ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Editionの実機レビュー
TechRadar: Lenovo ThinkPad X9-14 Aura Edition レビュー
Wired: Review: Lenovo ThinkPad X9 14 Aura Edition
最新ThinkPad X9 15/15 モデル別の選び方ガイド

X9 14
14インチ/約1.21kg~
¥188,980~

X9 15
15.3インチ/約1.4kg~
¥214,720~
ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Editionの特徴
ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Editionは、シリーズの中でも軽量・高機動性を重視した14インチモデルで、モバイルワークを中心としたビジネスユーザーに最適な構成となっています。わずか約13mmの薄型ボディに、最新のIntel Core UltraプロセッサーとAI機能を凝縮。まさに“持ち歩けるスマートアシスタント”といえる存在です。
このモデルの大きな特長のひとつは、有機EL(OLED)ディスプレイの採用です。最大2.8Kの高解像度と広色域表示、DisplayHDR 600対応により、会議資料やWebデザイン、写真編集などのビジュアル作業にも対応。さらに、120Hzの高リフレッシュレートにより、スクロールやウィンドウ操作が非常に滑らかで、日常の作業にも快適さをもたらします。
また、本体重量は約1.2kg前後と非常に軽く、バッグに入れても負担にならないのが大きな魅力。出張やリモートワーク先、カフェでの作業など、移動を伴う働き方をしているユーザーにとっては非常に頼れる相棒になります。
AI面では、Aura Edition独自の「Smart Modes」がしっかり搭載されており、周囲の状況に応じて画面のぼかしやカメラ設定を自動調整。セキュリティ意識の高いビジネス環境でも安心して使用できます。CopilotキーからMicrosoftのAIアシスタントもすぐに呼び出せるため、文書の要約やメール返信、アイデア出しなどもAIに支援してもらいながら効率的に進めることが可能です。
このように、ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Editionは、携帯性・性能・AI活用のバランスに優れた万能型モデルとして、広範なビジネスユーザーにおすすめできる1台です。高品質なディスプレイや静音性の高い筐体は、会議室でも自宅でも、スマートに仕事をこなしたい人にぴったりです。
ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Editionの特徴(14インチモデルとの違い)
ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Editionは、基本構成やAI機能は14インチモデルと共通しつつ、より広い作業領域と強化されたスピーカー性能を求めるユーザー向けに設計された上位モデルです。
最大の違いは、ディスプレイサイズが15.3インチと大きくなっている点です。これにより、複数のウィンドウを並べての作業や、細かな編集作業がより快適になります。2.8K OLEDパネルの高精細さはそのままに、表示領域が広がることで没入感や視認性が一段と向上しています。
加えて、15インチモデルではスピーカー構成が強化されており、Dolby Atmos対応の高出力スピーカーが搭載されています。これにより、オンライン会議での音声やプレゼン動画、エンタメ視聴においても臨場感あるサウンド体験が可能です。特に、リモートプレゼンや対面会議でノートPCの音声出力を重視するユーザーにとって、大きなメリットとなります。
サイズアップに伴い、本体重量は約1.4kg前後とやや増加しますが、それでも同クラスの15インチノートPCと比べて非常に軽量。据え置き中心で作業効率を高めたい方にとって、最適な選択肢となるモデルです。
スペックの見方・カスタマイズの注意点
CPUとメモリの選び方
ThinkPad X9 Aura Editionでは、Intel Core Ultraシリーズ(Lunar Lake)の複数のプロセッサーから選択できます。どのCPUもAI専用エンジン(NPU)を搭載し、基本性能は非常に高い水準にありますが、コア構成・最大クロック・vPro対応の有無・メモリ搭載量などによって、用途や価格に応じた最適な選択が可能です。
特に注意したいのがメモリ構成です。Lunar Lake世代のIntel Core Ultraプロセッサーでは、CPUとメモリが同じパッケージ(サブストレート)上に実装される設計となっており、これにより高速通信や省電力化、筐体の薄型化が実現されています。その反面、メモリは後からの増設や交換ができないため、購入時点で必要な容量を見極めて選ぶことが非常に重要です。
たとえば、Core Ultra 5 226Vは16GBメモリ固定、228V以上は32GBとなっており、CPUを選ぶ=メモリ容量も同時に決まるという点に注意が必要です。普段の作業内容や将来的な使い方も考慮しながら、性能とメモリのバランスをよく検討しましょう。
ThinkPad X9 Aura Edition CPU構成一覧と選び方ガイド
プロセッサー名 | 最大クロック(Pコア) | LPEコア最大 | メモリ容量(実装済) | 選び方のアドバイス |
---|---|---|---|---|
Core Ultra 5 226V | 最大4.50GHz | 最大3.50GHz | 16GB | 基本的な業務中心のユーザー向け。コスト重視で十分な性能。 |
Core Ultra 5 228V | 最大4.50GHz | 最大3.50GHz | 32GB | マルチタスクやメモリ重視の用途向け。将来を見据えておすすめ。 |
Core Ultra 5 238V(vPro対応) | 最大4.70GHz | 最大3.50GHz | 32GB | セキュリティ・管理性重視の法人ユーザー向け。 |
Core Ultra 7 258V | 最大4.80GHz | 最大3.70GHz | 32GB | 高クロック&32GB搭載。vPro不要な高性能志向に最適。 |
Core Ultra 7 268V(vPro対応) | 最大5.00GHz | 最大3.70GHz | 32GB | AI処理・クリエイティブ・開発用途などハイエンド向け。最強構成。 |
選ぶ際のポイントは以下の通りです:
- 基本業務中心(ブラウジング・メール・文書作成)なら、Core Ultra 5 226Vでも十分な性能。
- メモリ32GB必須なマルチタスク・クリエイティブ用途なら、228V以上が望ましい。
- vPro対応モデルは、企業管理やセキュリティ面で優れており、IT部門のある法人向けに最適。
- Core Ultra 7 268Vは、最高性能と最大クロックを求めるプロフェッショナル向け。
ストレージ(SSD)の選び方
ThinkPad X9 Aura Editionでは、ストレージとして最大2TBまでのPCIe Gen4対応NVMe SSD(M.2 2242サイズ)を選択可能です。すべてTLC NAND搭載かつOPAL対応(ハードウェア暗号化機能あり)となっており、セキュリティ面にも配慮されています。
性能に関しては、どの容量でも同等の高速性を備えているため、選ぶ際は主に「容量と価格のバランス」で判断することになります。使用目的に合わせた選び方のポイントは以下の通りです。
ストレージ構成 | インターフェース | 容量 | OPAL対応 | おすすめポイント |
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256GB SSD M.2 2242 PCIe Gen4 TLC | PCIe Gen4 / M.2 2242 | 256GB | ○ | 最低限の業務利用+クラウド運用に最適 |
512GB SSD M.2 2242 PCIe Gen4 TLC | PCIe Gen4 / M.2 2242 | 512GB | ○ | バランス重視。一般的な用途には十分 |
1TB SSD M.2 2242 PCIe Gen4 TLC | PCIe Gen4 / M.2 2242 | 1TB | ○ | 業務+クリエイティブ作業にも対応できる余裕容量 |
2TB SSD M.2 2242 PCIe Gen4 TLC | PCIe Gen4 / M.2 2242 | 2TB | ○ | プロユース向け。容量不足を気にせず長期間運用可能 |
ディスプレイの選び方
ThinkPad X9 Aura Editionでは、14インチと15.3インチの2サイズ×複数の有機EL(OLED)ディスプレイ構成から選択が可能です。どの構成もDCI-P3 100%の広色域表示、True Black対応の美しい映像表現が可能で、HDR表示やブルーライト軽減にも対応しています。
選ぶ際には、以下の3つのポイントに注目しましょう。
- サイズ(14型 or 15.3型)
- モバイル用途やコンパクトな筐体がよければ14型
- 大画面で作業効率を高めたいなら15.3型
- 解像度とリフレッシュレート
- 標準構成のWUXGA(1920×1200)は60Hz、より高解像度の2.8K(2880×1800)は最大120Hz対応でスクロールやアニメーションが滑らか
- タッチパネルの有無
- タッチ操作したいなら「マルチタッチ対応」モデルを選ぶ
サイズ | 解像度 | タッチ | 輝度 | リフレッシュレート | HDR | その他特徴 | おすすめポイント |
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14型 | WUXGA (1920×1200) | × | 400nit | 60Hz | HDR500 | ブルーライト軽減 | 軽量・省電力・コスパ重視のユーザー向け |
14型 | 2.8K (2880×1800) | ○ | 500nit | 30–120Hz(VRR) | HDR600 | 反射防止・マルチタッチ対応 | なめらかな表示と直感操作を重視する人に最適 |
15.3型 | 2.8K (2880×1800) | × | 500nit | 120Hz | HDR600 | 反射防止・非タッチ | 広い作業領域と高解像度で効率よく作業したい人に |
15.3型 | 2.8K (2880×1800) | ○ | 500nit | 120Hz | HDR600 | 反射防止・マルチタッチ対応 | クリエイティブ作業やプレゼンに便利な大画面タッチ |
価格を抑えても十分に美しい表示を求めるなら:WUXGA OLED(14型)
なめらかなスクロールや動画再生を重視するなら:2.8K+120Hz構成(14型/15.3型)
タッチ操作で直感的に操作したいなら:マルチタッチ対応モデルを選択
作業空間の広さ・視認性を重視するなら:15.3インチモデルがおすすめ
ポインティングデバイスの選び方
ThinkPad X9 Aura Editionでは、従来の物理クリックボタン付きトラックポイント(赤ポチ)は廃止されており、クリックパッドまたは触覚タッチパッド(ハプティック対応)のいずれかを選ぶ形になっています。
- クリックパッド
従来型の静電容量式タッチパッド。動作は一般的で違和感なく使えるが、触覚フィードバックはなし。 - 触覚タッチパッド
新世代のThinkPadで導入が進む、ハプティックモーター内蔵のガラス製タッチパッド。クリック感をソフトウェア制御で再現し、クリック音が静かで耐久性も高い。滑らかな指の動きと静音性を重視するユーザーにおすすめ。
特に会議中やカフェなど静かな場所での使用が多い方には、触覚タッチパッドの静粛性と操作性の高さがメリットになります。
キーボード構成の選択肢とテンキー非搭載について
キーボードは、いずれもバックライト付き・指紋センサー内蔵のモデルとなっており、日本語配列(JIS)または英語配列(US)から選択できます。
- 日本語配列
「無変換」「変換」「かな」などのキーがあり、日本語入力に慣れた方やOffice作業が中心のユーザーに最適。キーのラベリングも見慣れており、初心者でも違和感が少ない。 - 英語配列
シンプルなキー構成で、プログラミングやショートカット操作に強い。記号配置も直感的で、開発者や英語ソフトを多用する方におすすめ。タイピングのリズムが軽快に感じられるユーザーも多い。
あと、ThinkPad X9 Aura Editionは、14インチ/15.3インチモデルともに、テンキー(10キー)は非搭載です。たとえ15.3インチの大型モデルであっても、左右にテンキーを追加せず、左右対称で美しいデザイン性と持ち運びやすさを優先したレイアウトとなっています。
これは、X9シリーズが「薄型・軽量・高品位なデザイン性」を追求したフラッグシップ的ポジションにあるためで、サイズアップしてもテンキーを追加しない方針が貫かれています。
一方で、他のThinkPadシリーズ、たとえば、ThinkPad T16やL16などの16インチクラスのモデルではテンキー搭載モデルも多く、数値入力作業を重視する業務に適した構成となっています。
X1 Carbon Gen 13 Aura Editonとの比較
ThinkPad X9 Aura EditionとX1 Carbon Gen 13 Aura Editionの比較
特徴 | ThinkPad X9 Aura Edition | ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition |
---|---|---|
デザインと素材 | アルミニウム製ユニボディ | カーボンファイバーとマグネシウムのハイブリッド構造 |
重量 | 約1.2kg(14インチモデル) | 約986g(14インチモデル) |
ディスプレイ | 14インチまたは15.3インチ OLED、2.8K、120Hz | 14インチ OLEDまたはWUXGA IPS、最大2.8K、120Hz |
キーボードとポインティングデバイス | TrackPoint廃止、ハプティックタッチパッド採用 | TrackPoint搭載、従来の物理ボタン付きタッチパッド |
AI機能 | Smart Modes、Copilotキー搭載 | Smart Modes、Copilotキー搭載 |
バッテリー容量 | 約57Wh | 約57Wh |
拡張性 | メモリ・ストレージのカスタマイズ不可 | メモリ・ストレージのカスタマイズ不可 |
その他の特徴 | スピーカー性能強化(15インチモデル) | 約1kg未満の軽量設計、持ち運びに最適 |
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionは、X9と同様にIntel Core Ultra(Lunar Lake)プロセッサーを搭載したAI対応モデルであり、単純な「旧モデル」ではなく、X9と並ぶ最新世代のハイエンドThinkPadです。とはいえ、両者は設計思想や使い方において異なるアプローチをとっています。
まず、素材と重量の違いが最も大きなポイントです。X1 Carbon Gen 13 Aura Editionは、伝統的なカーボンファイバーとマグネシウム合金のハイブリッド構造を採用しており、約986gという軽量性を実現。これはモバイルワーカーにとって非常に魅力的です。一方、X9 Aura Editionは再生アルミニウムによるユニボディ構造を採用しており、より剛性が高く、デザイン面でも一体感がありますが、重量はやや増して**約1.2kg(14インチモデル)**となっています。
次に、操作性の違いも見逃せません。X1 Carbonは従来通りTrackPoint(赤ポチ)と物理クリックボタン付きタッチパッドを搭載しており、長年のThinkPadユーザーにとっては慣れ親しんだ操作感を維持しています。一方のX9はTrackPointを廃止し、ハプティック(触覚)対応の大型タッチパッドに刷新されており、より静かでモダンな操作体験が得られる反面、操作感の変化に好みが分かれる可能性があります。
ディスプレイに関しては、両モデルとも最大2.8K OLED、120Hz、DisplayHDR 600対応など高水準のパネルを搭載可能ですが、X9は15.3インチモデルも選べるという点で、より広い画面を求めるユーザーには有利です。
どちらもCopilotキー搭載、Smart ModesによるAI機能を備えており、性能面では共通点が多い一方で、X1 Carbonは「とにかく軽く、どこへでも持ち運べるThinkPad」、X9は「新しいインターフェースと堅牢な筐体を持つ“次世代のAI ThinkPad”」というように、用途と使用スタイルによって選び分けるのが理想です。
まとめ:ThinkPad X9 Aura Editionは、次世代ビジネスPCの新しいスタンダード
ThinkPad X9 Aura Editionは、従来のThinkPadが培ってきた堅牢性・信頼性を受け継ぎながらも、**AI時代にふさわしい革新を詰め込んだ“新しいThinkPad”**です。IntelとLenovoが共同開発したAura Editionとして、Lunar Lakeプロセッサー×AI機能×ハプティック操作系×OLEDディスプレイという最先端の要素が絶妙に融合されています。
記事内で詳しくご紹介してきたように、本モデルは以下のような方に特におすすめです:
- 最新AI機能やCopilotを活用し、業務効率を高めたい方
- 軽量・堅牢・洗練されたデザインのノートPCを求める方
- 美しいOLEDディスプレイで映像・資料をクリアに表示したい方
- 自分に合ったCPU・メモリ・ストレージ・キーボードをしっかり選びたい方
また、14型・15.3型の画面サイズ、vPro有無、触覚パッドや英語配列キーボードなど、細部までパーソナライズ可能な構成も魅力。一方で、メモリやストレージの増設は不可のため、購入時のスペック選びが非常に重要です。
X9は、単なる「軽くて速いPC」ではなく、持つ人のワークスタイルに寄り添い、AIと共に未来を切り拓くツールです。
ThinkPadファンはもちろん、これからThinkPadを使い始める方にも、ぜひこの革新的な1台を手に取って体感してほしいと思います。