ThinkPad X1 Carbon Gen13には、ILL(Lunar Lake)とIAL(Arrow Lake)の2モデルがあります。
同じGen13でも方向性は異なり、ILLは省電力・バッテリー・モバイル性重視、IALはCPU性能・マルチタスク重視のモデルです。
そのため、
「バッテリー持ちを重視するならどちら?」
「CPU性能が高いのは?」
「32GBと64GBメモリの違いは?」
と迷う方も多いでしょう。
本記事では、X1 Carbon Gen13のILLとIALをCPU性能・省電力性・AI性能・メモリ構成などから比較し、どちらを選ぶべきか分かりやすく整理します。
結論を先にまとめると、
- 省電力・バッテリー重視ならILL
- 軽さ・持ち運び重視ならILL
- CPU性能・マルチタスク重視ならIAL
- 64GBメモリが必要ならIAL
と考えるとシンプルです。
同じX1 Carbon Gen13でも性格は大きく異なるため、自分の使い方に合うのがILLかIALかを確認していきましょう。
結論|ILLかIALか
X1 Carbon Gen13のILLとIALは、同じGen13でも重視しているポイントが異なります。
選び方をシンプルにすると、省電力・モバイル性ならILL、CPU性能・大容量メモリならIALです。
| 重視するポイント | おすすめ |
|---|---|
| 省電力・バッテリー | Gen13 ILL |
| 軽さ・持ち運び | Gen13 ILL |
| Copilot+ PC・NPU性能 | Gen13 ILL |
| CPU性能 | Gen13 IAL |
| マルチタスク | Gen13 IAL |
| 64GBメモリ | Gen13 IAL |
ILLはLunar Lake世代のCore Ultra 200Vシリーズを搭載し、省電力性とモバイル性能を重視したモデルです。
一方のIALはArrow Lake世代のCore Ultraを搭載し、CPU処理性能やマルチタスク、大容量メモリを重視したモデルです。
つまり、
外出先で長く使う・軽さを重視する → ILL
処理性能・64GBメモリを重視する → IAL
と考えると分かりやすいでしょう。

ただし、CPU性能だけでなく、NPU性能やメモリ構成などにも違いがあります。
次に、ILLとIALの主なスペックを比較してみましょう。
ILL・IALを比較
X1 Carbon Gen13のILLとIALは、外観はよく似ていますが、搭載するCPUプラットフォームが異なるため、性能の方向性やメモリ構成、AI性能、重量に違いがあります。
主な違いを整理すると、次のとおりです。
| 比較ポイント | Gen13 ILL | Gen13 IAL |
|---|---|---|
| CPU | Core Ultra 200V | Core Ultra 200U / H |
| 開発コード名 | Lunar Lake | Arrow Lake |
| CPUコア数 | 8コア | 最大16コア |
| NPU性能 | 最大48 TOPS | 最大13 TOPS |
| メモリ | 最大32GB | 最大64GB |
| メモリ方式 | MoP | オンボード |
| 重量 | 約986g〜 | 約1,006g〜 |
| AI PC分類 | Copilot+ PC | AI PC |
| 得意な用途 | 省電力・モバイル | CPU処理・マルチタスク |
ILLのLunar Lakeは、Core Ultra 200Vシリーズを採用した8コア構成で、NPUは最大48 TOPS。Copilot+ PCに対応し、省電力性やモバイル利用を重視したプラットフォームです。
一方のIALは、Arrow Lake世代のCore Ultra U / Hシリーズを搭載します。Hシリーズでは最大16コアとなり、CPU処理性能やマルチタスクを重視した構成を選べます。NPUは最大13 TOPSです。
メモリにも大きな違いがあります。
ILLはCPUパッケージ上にLPDDR5Xメモリを搭載するMoP(Memory on Package)方式で最大32GB。一方、IALはオンボードメモリで最大64GBまで選択できます。Lenovoの最新PSREFでも、64GB構成はArrow Lakeのみ対応とされています。
重量はILLが約986gから、IALが約1,006gから。どちらも約1kgクラスですが、モバイル性を最優先するならILLがわずかに有利です。
つまり、2モデルの違いを一言で整理すると、
- ILL=省電力・軽さ・AI性能を重視
- IAL=CPU性能・マルチタスク・64GBメモリを重視
となります。
次に、選び方を大きく左右するCPU性能の違いから詳しく見ていきましょう。
CPU性能の違い
ILLとIALの大きな違いのひとつが、CPUの構成と性能の方向性です。
ILLはLunar Lake世代のCore Ultra 200Vシリーズを搭載し、4つのP-coreと4つのLP E-coreによる8コア構成です。IntelもLunar Lakeを、電力効率を重視したモバイル向けプラットフォームとして位置づけています。
一方のIALはArrow Lake世代のCore Ultra 200U / 200Hシリーズを搭載します。X1 Carbon Gen13では、Uシリーズは12コア、Hシリーズでは最大16コア構成を選択でき、CPU負荷の高い処理ではIALが有利です。
| Gen13 ILL | Gen13 IAL | |
|---|---|---|
| CPU世代 | Lunar Lake | Arrow Lake |
| 主なCPU | Core Ultra 200V | Core Ultra 200U / H |
| コア数 | 8コア | 12〜16コア |
| 得意な用途 | 日常作業・モバイル利用 | 高負荷処理・マルチタスク |
ILLは省電力とのバランス重視
ILLは、Web閲覧やOffice、オンライン会議などの日常的な作業を快適にこなしながら、消費電力を抑えて長時間使うことを重視した設計です。
外出先で使うことが多く、ピーク性能よりも軽さ・バッテリー持ち・静かな使い勝手を重視するなら、ILLとの相性がよいでしょう。
IALはCPU処理性能重視
IALはコア数の多いArrow Lakeを選べるため、複数のアプリを同時に使うマルチタスクや、CPU負荷の高い処理を重視する人に向いています。
特にHシリーズでは最大16コア構成となるため、動画処理や大量のデータ処理、開発環境など、CPU性能を継続的に使う用途ではIALのメリットが出やすくなります。
つまりCPU性能だけで整理すると、
- 普段使い+省電力とのバランス → ILL
- 高負荷処理・マルチタスク → IAL
と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、ILLの強みはCPU性能だけではありません。
次に、ILLが大きく優位になる省電力性とAI性能の違いを見ていきます。
省電力・AIの違い
ILLとIALは、AI処理を担うNPU性能と省電力性にも大きな違いがあります。
ILLに搭載されるLunar LakeのCore Ultra 200Vシリーズは、NPU性能が最大48 TOPS。Copilot+ PCの要件にも対応しており、ローカルAI処理を効率よく行えるのが特徴です。
一方、IALのArrow LakeはNPUを搭載していますが、NPU性能は最大13 TOPS。AI処理よりもCPU性能を重視したプラットフォームと考えると分かりやすいでしょう。
| 比較ポイント | Gen13 ILL | Gen13 IAL |
|---|---|---|
| NPU性能 | 最大48 TOPS | 最大13 TOPS |
| Copilot+ PC | 対応 | ― |
| 重視する方向 | 省電力・AI処理 | CPU処理性能 |
| 向いている使い方 | 外出・長時間利用 | 高負荷・マルチタスク |

AI性能はILLが有利
NPUは、AI処理をCPUやGPUから分担して実行する専用プロセッサです。
ILLは最大48 TOPSのNPUを備えているため、対応するAI機能を利用する際に、CPUやGPUへの負荷を抑えながら処理できるのがメリットです。
Copilot+ PCとして、WindowsのAI機能を積極的に活用したい場合もILLが選びやすいでしょう。
ただし、NPU性能が高いからCPU性能も高いわけではありません。
CPUを使う高負荷処理ではIAL、NPUを活用するAI処理ではILLというように、それぞれ得意分野が異なります。
省電力もILLの強み
ILLのLunar Lakeは、モバイルPCでの電力効率を重視して設計されたプラットフォームです。
CPU・GPU・NPUを用途に応じて使い分けることに加え、メモリをCPUパッケージ上に配置するMoP(Memory on Package)なども採用されており、省電力化を意識した構成になっています。
そのため、外出先での利用が多く、ピーク性能よりもバッテリー持ちやモバイル性を優先したいならILLが適しています。
一方、電源につないで使うことが多く、CPU負荷の高い処理を優先するならIALが有力です。
シンプルに整理すると、
- 省電力・NPU・Copilot+ PC → ILL
- CPU性能・高負荷処理 → IAL
という違いです。
次に、ILLとIALで購入時の選択に大きく影響するメモリ構成とSSDの違いを見ていきます。
メモリ・SSDの違い
ILLとIALは、メモリの搭載方法と最大容量にも大きな違いがあります。
特に64GBメモリが必要な場合は、IALを選ぶ必要があります。Lenovoの最新PSREFでは、ILLのLunar Lakeは最大32GB、64GB構成はArrow Lakeのみ対応しています。
| 比較ポイント | Gen13 ILL | Gen13 IAL |
|---|---|---|
| 最大メモリ | 32GB | 64GB |
| メモリ規格 | LPDDR5X-8533 | LPDDR5X-8400動作 |
| 搭載方式 | MoP | はんだ付けメモリ |
| 増設 | 不可 | 不可 |
| SSD最大容量 | 2TB | 2TB |

ILLはMoPを採用
ILLでは、LPDDR5XメモリをCPUパッケージ上に配置するMoP(Memory on Package)を採用しています。最大容量は32GBです。
CPUとメモリを近接して配置できることも、Lunar Lakeがモバイル用途や省電力性を重視したプラットフォームである理由のひとつです。
一方で、購入後にメモリを追加することはできないため、ILLを選ぶ場合は16GBか32GBかを購入時に決める必要があります。
64GBならIAL
IALでは最大64GBのLPDDR5Xメモリを選択できます。64GB構成はArrow Lakeのみ対応しており、多数のアプリを同時に開く使い方や、大容量メモリが必要な業務ではIALの大きなメリットになります。
こちらもメモリスロットはなく、購入後の増設はできません。
つまりメモリで選ぶなら、
- 32GBまでで省電力重視 → ILL
- 64GBが必要 → IAL
と考えるとシンプルです。
SSDは最大2TB
SSDはどちらもM.2 2280を採用し、最大2TBまで対応します。
ただしインターフェースはCPU構成によって異なり、Vシリーズ(Lunar Lake)とHシリーズではPCIe 5.0 x4スロット、UシリーズではPCIe 4.0 x4スロットとなります。
そのため、SSD容量だけでILLとIALを選ぶ必要はありません。購入判断では、SSDよりもメモリ容量の32GB/64GBの違いを重視した方が分かりやすいでしょう。
メモリ構成を含めて整理すると、
- 省電力・32GBまで → ILL
- CPU性能・最大64GB → IAL
という違いがより明確になります。
次に、CPUやメモリ以外にどのような違いがあるのか、ディスプレイや外部出力などの違いを簡単に確認しておきましょう。
その他の違い
CPU・AI・メモリ以外にも、ILLとIALでは外部ディスプレイの接続数や、一部のOLEDディスプレイ構成に違いがあります。
| 比較ポイント | Gen13 ILL | Gen13 IAL |
|---|---|---|
| 外部ディスプレイ | 最大2台 | 最大3台 |
| 本体画面を含む最大表示数 | 3画面 | 4画面 |
| 2.8K OLED 400nit | 選択可能 | ― |
| 2.8K OLED 500nit タッチ | ― | 選択可能 |
ILLのLunar Lakeモデルは、本体ディスプレイを含めて最大3画面に対応します。つまり、HDMIやThunderboltを利用して最大2台の外部ディスプレイを接続できます。
一方、IALのArrow Lakeモデルは本体画面を含めて最大4画面に対応し、最大3台の外部ディスプレイを利用できます。複数モニターを使ったデスクワークでは、IALの方が柔軟です。
ディスプレイ構成にも一部違いがあります。
2.8K OLEDでは、400nitの非タッチモデルはLunar Lakeのみ、500nitのタッチ対応モデルはArrow Lakeのみ選択できます。どちらも2.8K・120HzのOLEDですが、タッチ操作が必要かどうかも構成選びのポイントになります。
ただし、これらはILLとIALを選ぶうえでの補助的な違いです。
基本的には、
- 省電力・バッテリー・NPU性能 → ILL
- CPU性能・64GBメモリ・多画面出力 → IAL
という大きな違いを基準に選ぶとよいでしょう。
ここまでの違いを踏まえて、次にどんな人にILL・IALがおすすめなのかを整理します。
まとめ|ILLかIALか
X1 Carbon Gen13のILLとIALは、同じGen13でも重視するポイントが異なります。
選び方をシンプルにまとめると、
- 省電力・バッテリー重視 → Gen13 ILL
- 軽さ・モバイル性重視 → Gen13 ILL
- Copilot+ PC・NPU性能重視 → Gen13 ILL
- CPU性能・マルチタスク重視 → Gen13 IAL
- 64GBメモリが必要 → Gen13 IAL
となります。
ILLはLunar Lakeを搭載し、省電力性・NPU性能・モバイル利用を重視したモデルです。
一方のIALはArrow Lakeを搭載し、CPU処理性能・マルチタスク・最大64GBメモリを重視したモデルです。
迷った場合は、
- 外出先で長く使うならILL
- 処理性能を優先するならIAL
と考えると分かりやすいでしょう。
どちらもX1 Carbon Gen13の軽量筐体をベースにしているため、最終的には「バッテリーと省電力」か「CPU性能と大容量メモリ」かで選ぶのがおすすめです。
現在のX1 Carbonをチェック
現在のX1 Carbonには、Gen13のILL・IALに加えて、最新世代のGen14もあります。
以下の商品一覧では、
- X1 Carbon Gen14 Aura Edition → 最新世代
- X1 Carbon Gen13 Aura Edition → ILL(Lunar Lake)
- X1 Carbon Gen13 → IAL(Arrow Lake)
を確認できます。
X1 Carbon
Gen13を選ぶことが決まっている方は、省電力重視ならGen13 Aura Edition(ILL)、CPU性能重視ならGen13(IAL)をチェックしてみてください。
最新のGen14も含めて価格差を確認してから決めたい方は、3モデルを比較して選ぶのがおすすめです。
また、Gen14・Gen13・Gen12・Gen11まで含めてX1 Carbonの世代そのものを比較したい方は、こちらの記事で詳しくまとめています。





