ThinkPad E16 Gen 3 IALは、Intel Core Ultra シリーズ2(Arrow Lake)を搭載した16型ビジネスノートPCである。
16型・16:10の大画面とテンキーを備え、Excelや資料作成などのデスクワークに向く。さらに、Thunderbolt 4、交換可能なメモリ、デュアルSSDなど、仕事用PCとして長く使いやすい装備も充実している。
同じE16 Gen 3には、Copilot+ PCに対応するILLも存在する。一方、IALはAI性能よりも、CPU性能と拡張性を重視した構成だ。
2026年にはGen 4も登場しているため、今から選ぶなら現行モデルとの価格差も重要になる。
本記事では、CPU・GPU性能、ディスプレイ、実機レビューで分かった使い勝手、Gen 4との違いを整理し、どの構成を選ぶべきかを解説する。
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特徴と向いている人
ThinkPad E16 Gen 3 IALの特徴は、16型の作業性と高い拡張性を備えていることだ。
| 注目点 | 内容 |
|---|---|
| CPU | Core Ultra 5 / 7 シリーズ2 |
| アーキテクチャ | Arrow Lake |
| NPU | 最大13TOPS |
| Copilot+ PC | 非対応 |
| GPU | Intel Graphics / Intel Arc Graphics |
| メモリ | DDR5 SO-DIMM×2 |
| 最大メモリ | 最大64GB※ |
| SSD | M.2 SSD×2 |
| 画面 | 16型 WUXGA / WQXGA |
| 高速USB-C | Thunderbolt 4+USB 20Gbps |
| キーボード | テンキー搭載 |
| 重量 | 約1.65kg~ |
※最大64GBは一部販売形態での対応。
Office、Excel、Web会議を中心に使いながら、必要に応じてメモリやSSDを増設したい人に向いている。
一方、Copilot+ PCのAI機能を重視する場合は、ILLやGen 4 Core Ultra版も比較したい。
CPU性能・大画面・拡張性を重視する人向けの16型ThinkPadである。
主なスペック
ThinkPad E16 Gen 3 IALの主な仕様を整理する。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| CPU | Core Ultra 5 / 7 シリーズ2 |
| 主なCPU | 225U / 235U / 225H / 265U / 255H |
| GPU | Intel Graphics / Intel Arc 130T・140T |
| NPU | 最大13TOPS |
| Copilot+ PC | 非対応 |
| メモリ | DDR5-5600 SO-DIMM×2 |
| 最大メモリ | 最大64GB※ |
| SSD | PCIe 4.0 NVMe |
| SSDスロット | M.2 2242×1+M.2 2280×1 |
| ディスプレイ | 16型 WUXGA / WQXGA IPS |
| バッテリー | 48Wh / 64Wh |
| 高速USB-C | Thunderbolt 4×1+USB 20Gbps×1 |
| 無線LAN | Wi-Fi 6 / 6E / 7 |
| 重量 | 約1.65kg~ |
| サイズ | 約356×249mm |
| 最大厚 | 約21.15~21.95mm |
| OS | Windows 11 Home / Pro |
※構成・販売形態によって異なる。
同じE16 Gen 3でも、IALとILLではメモリやSSDの構成が大きく異なる。
IALはSO-DIMM×2とSSD×2を備える拡張性重視のプラットフォームである。
デザインと携帯性
ThinkPadらしいブラックの筐体に、赤いTrackPointを配置する。
本体サイズは約356×249mm、重量は約1.65kgから。
16型なので14型のE14ほどコンパクトではないが、そのぶんディスプレイとキーボードの作業領域を確保できる。
海外の実機レビューでは、従来世代から筐体が見直され、アルミニウムを使用したボディの剛性が良好と評価されている。
レビュー機の実測重量は約1.7kg。軽量モバイルPCではないが、16型としては自宅とオフィスを行き来する用途も考えられる重量である。
持ち運びやすさだけでなく、机上での作業効率を優先したい人向けのサイズである。
CPU・GPU性能
IALには、Arrow Lake世代のCore Ultra シリーズ2を採用する。
主なCPUの違いは以下の通り。
| CPU | コア / スレッド | 内蔵GPU |
|---|---|---|
| Core Ultra 5 225U | 12コア / 14スレッド | Intel Graphics |
| Core Ultra 5 235U | 12コア / 14スレッド | Intel Graphics |
| Core Ultra 5 225H | 14コア / 14スレッド | Intel Arc 130T※ |
| Core Ultra 7 265U | 12コア / 14スレッド | Intel Graphics |
| Core Ultra 7 255H | 16コア / 16スレッド | Intel Arc 140T※ |
※Arc Graphicsとして動作するには、対応するHシリーズCPUと所定のデュアルチャネルメモリ構成が必要。
Office中心なら225U
Word、Excel、PowerPoint、Webブラウザー、Web会議などが中心なら、Core Ultra 5 225Uを基本に考えたい。
海外の実機レビューでも、225U搭載機は一般的なOffice用途に十分なCPU性能を備えると評価されている。
また、短時間の高負荷だけでなく、一定時間処理を続けた場合でも安定した性能を示している。
一方、CPU性能を重視する用途では、Hシリーズとの違いが出てくる。
高負荷業務なら225H・255H
Core Ultra 5 225HやCore Ultra 7 255Hは、CPUコア構成が強化されている。
複数の重いアプリケーションを同時に使う場合や、CPU負荷の高い処理を頻繁に行う場合は候補になる。
特に225Hと255Hは、条件を満たすメモリ構成でIntel Arc Graphicsも利用できる。
一方、Office中心なら上位CPUを選んでも価格差ほど体感差が出ない場合がある。
CPUを上げる前に、メモリ容量やディスプレイへ予算を回すべきか確認したい。
GPUはCPUによって異なる
225UなどのUシリーズではIntel Graphicsを搭載する。
一方、225Hや255Hでは、対応するデュアルチャネルメモリ構成によってIntel Arc 130T / 140Tを利用できる。
GPU性能を重視する場合は、Core Ultra 5 / 7という名前だけでなく、末尾のU・Hとメモリ構成まで確認したい。
海外レビューの225U搭載機では、一般業務には十分な一方、GPU性能は高くなく、ゲームなどには向かないと評価されている。
Copilot+ PCには非対応
IALはNPUを備えたAI PCだが、Copilot+ PCではない。
NPU性能は最大13TOPSで、Copilot+ PCに必要な40TOPS以上には達していない。
ただし、WordやExcel、Web会議などの基本性能が不足するという意味ではない。
AI機能を積極的に使わないなら、CPU性能や拡張性、価格を優先する選び方も十分考えられる。
ディスプレイ
ThinkPad E16 Gen 3 IALは、16型・16:10ディスプレイを採用する。
WUXGAに加え、100% sRGB・120HzのWQXGAも用意されている。
| 項目 | WUXGA | WQXGA |
|---|---|---|
| 解像度 | 1920×1200 | 2560×1600 |
| 輝度 | 300nit | 400nit |
| 色域 | 45% NTSC | 100% sRGB |
| リフレッシュレート | 60Hz | 120Hz VRR |
| タッチ | 構成による | 非対応 |
| 表面 | 非光沢 | 非光沢 |
一般業務ならWUXGA
WUXGAは1920×1200の16:10ディスプレイである。
16型なのでExcelや資料を広く表示でき、複数ウィンドウを使った作業にも向く。
一方、標準パネルは45% NTSC。写真や色を扱う用途では制約がある。
WQXGAは100% sRGB・120Hz
WQXGAは2560×1600、400nit、100% sRGB、120Hzに対応する。
解像度だけでなく、明るさや色再現性も強化されている。
Notebookcheckが測定したWQXGA搭載機では、平均輝度約420nit、sRGBカバー率約99%という結果だった。
同レビューでは、画面の精細さ、色の鮮やかさ、120Hzによる滑らかな表示を評価している。
写真や画像を扱う人だけでなく、画面品質を重視する人にも選ぶ意味がある。
Office中心ならWUXGA。画質や表示の滑らかさまで求めるならWQXGAを選びたい。

端子と拡張性
IALは16型ビジネスノートらしく、接続端子も充実している。
| 端子 | 数量 |
|---|---|
| Thunderbolt 4 | 1 |
| USB-C 20Gbps | 1 |
| USB-A 10Gbps | 1 |
| USB-A 5Gbps | 1 |
| HDMI 2.1 | 1 |
| RJ-45 | 1 |
| オーディオ端子 | 1 |

Thunderbolt 4はUSB4 40Gbpsに対応する。
もう一方のUSB-Cも最大20Gbpsの高速転送に対応し、USB PDとDisplayPort出力を利用できる。
HDMIと有線LANを本体に搭載するため、会議室やオフィスでも接続しやすい。
一方、SDカードスロットは搭載しない。
メモリは2スロット
DDR5-5600のSO-DIMMを2基搭載する。
最大64GBまで対応する仕様だが、64GBは一部販売形態向けとなる。
購入後の交換・増設が可能で、デュアルチャネル構成にも対応する。
特にHシリーズCPUでArc Graphicsを利用する場合は、メモリ構成も重要になる。
SSDも2台搭載可能
M.2 2242とM.2 2280の2スロットを備える。
Lenovoの完成構成では基本的にSSD1台だが、2台目はユーザー拡張用として利用できる。
最初は512GBで購入し、必要になったら2台目を追加するという使い方も可能だ。
海外の実機レビューでも、メモリとSSDを2台ずつ搭載できる点は、本機の長所として評価されている。
購入後もメモリやSSDを増設できることが、IALを長く使ううえでのメリットである。
キーボードと操作性
E16では、16型の横幅を活かしたテンキー付きキーボードを搭載する。
Excel、会計、在庫管理、見積書作成など、数字を頻繁に入力する業務では14型のE14より便利だ。
キーボードは6列構成で、基本キーストロークは1.5mm。Fn列とG/H/Bキーは1.35mmとなる。
TrackPoint、3ボタン構成のクリックパッド、Copilotキー、防滴構造も備える。バックライトは構成によって異なる。
海外の実機レビューでは、キーボードの反発感やフィードバックが良好で、長文入力にも向くと評価されている。
ただし、ThinkNaviとして実機を確認したわけではないため、打鍵感そのものはレビュー元の評価として捉えたい。
静音性と発熱
NotebookcheckのCore Ultra 5 225U搭載機では、軽い作業中はファンが停止することもあり、静かな動作が確認されている。
高負荷時には一時的に約40dB(A)まで上昇するが、継続負荷では約35dB(A)程度へ落ち着くという測定結果だった。
また、軽作業中の筐体表面は比較的低温で、CPUとGPUへ同時に負荷をかけた場合でもキーボード面の温度上昇は抑えられていた。
ただし、底面の一部では約49℃に達する箇所もあった。
これは225U搭載のレビュー機における測定結果であり、225Hや255Hでも同じ温度や騒音になるとは限らない。
バッテリー
バッテリーは48Whと64Whの2種類を用意する。
| 項目 | 48Wh | 64Wh |
|---|---|---|
| 容量 | 標準 | 大容量 |
| 急速充電 | 最大50% / 30分 | 最大80% / 1時間 |
| 向いている用途 | 机上利用中心 | 外出・長時間利用 |
※急速充電はLenovo所定の条件下での値。
Notebookcheckの225U・64Wh・WQXGA構成では、150nit・60HzのWi-Fiテストで約12時間49分という結果だった。
最大輝度では約8時間57分、高負荷時には約1時間33分まで短くなっている。
つまり、同じPCでも画面輝度や負荷によって駆動時間は大きく異なる。
外出先でACアダプターなしで使う機会が多いなら、64Whを優先したい。
ILLとの違い
同じE16 Gen 3 Intelでも、IALとILLは内部構成が異なる。
| 項目 | IAL | ILL |
|---|---|---|
| CPU | Arrow Lake | Lunar Lake |
| Copilot+ PC | 非対応 | 対応 |
| NPU | 最大13TOPS | 最大48TOPS |
| メモリ | SO-DIMM×2 | オンボード |
| SSD | 2スロット | 1スロット |
| 高速USB-C | TB4+USB 20Gbps | TB4×2 |
| 主な特徴 | CPU性能・拡張性 | AI・省電力性 |
IALはメモリとSSDを交換・増設できる構成を持つ。
一方、ILLはCopilot+ PCに対応するが、メモリは基板実装となり、購入後に増設できない。
そのため、AI性能と省電力性を重視するならILL、拡張性やHシリーズCPUを重視するならIALという違いで考えると分かりやすい。

Gen 4との違い
2026年には、Core Ultra シリーズ3を搭載するE16 Gen 4 Intelが登場している。
| 項目 | Gen 3 IAL | Gen 4 Core Ultra |
|---|---|---|
| CPU | Core Ultra シリーズ2 | Core Ultra シリーズ3 |
| Copilot+ PC | 非対応 | 対応 |
| NPU | 最大13TOPS | 最大50TOPS |
| メモリ | SO-DIMM×2 | SO-DIMM×2 |
| SSD | 2スロット | 2スロット |
| 高速USB-C | TB4+USB 20Gbps | TB4×2 |
| 標準WUXGA | 300nit | 400nit |
| 上位画面 | WQXGA 120Hz | WQXGA 120Hz |
| 重量 | 約1.65kg~ | 約1.63kg~ |
Gen 4では、Copilot+ PC対応、Thunderbolt 4×2、標準ディスプレイの輝度向上などが主な進化となる。
一方、メモリ2スロットとSSD2スロットはGen 3 IALにも備わっている。
さらに、Gen 3の225Hや255Hなどを検討している場合は、Gen 4のCPU名称だけで上位と判断せず、実際のCPU構成と性能を比較したい。
Gen 3 IALは、Gen 4との価格差が大きいときに検討しやすいモデルである。
おすすめ構成
ThinkPad E16 Gen 3 IALは、CPUだけでなくディスプレイやメモリの選び方が重要になる。
| 用途 | CPU | メモリ | SSD | 画面 |
|---|---|---|---|---|
| 標準ビジネス | Ultra 5 225U | 16GB | 512GB | WUXGA |
| 長期利用 | Ultra 5 225U / 235U | 32GB | 1TB | WUXGA |
| 高負荷業務 | Ultra 5 225H / Ultra 7 255H | 32GB | 1TB | 用途に合わせる |
| 画質重視 | Ultra 5 225U / 225H | 32GB | 1TB | WQXGA |
Office、Excel、Web会議中心なら、Core Ultra 5 225U+16GB+512GB+WUXGAを基本に考えたい。
長期間メインPCとして使うなら、32GBメモリと1TB SSDも検討したい。
CPU負荷の高い作業が多い場合は225Hや255Hが候補になるが、価格差が大きければGen 4も比較したい。
写真編集や画質を重視するなら、CPUのアップグレードより100% sRGBのWQXGAパネルを優先する選び方もある。

まとめ
ThinkPad E16 Gen 3 IALは、Core Ultra シリーズ2と16型ディスプレイを組み合わせた、拡張性の高いビジネスノートPCである。
テンキー、Thunderbolt 4、SO-DIMM×2、SSD×2を備え、Excelや資料作成を中心としたデスクワークに向く。
海外の実機レビューでも、筐体の剛性、キーボード、WQXGAディスプレイ、64Wh構成のバッテリー駆動時間が評価されている。
一方、Copilot+ PCには対応しないため、最新AI機能を重視するならILLやGen 4を比較したい。
大画面と拡張性を重視し、Gen 4より安く購入できるなら、ThinkPad E16 Gen 3 IALは今でも検討する価値がある。
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