モバイルノートPCの金字塔である「ThinkPad Xシリーズ」。その中でも、日本人のビジネススタイルに最も適したサイズ感として愛されてきたのが、12インチ〜13.3インチの系譜です。
X200番台(X280など)やX390を経て、2020年に誕生したのが「ThinkPad X13」シリーズ。 本記事では、X13の初代(Gen 1)から、900g台への軽量化を果たした最新のGen 6まで、歴代全モデルの進化とスペックを年表形式で徹底解説します。
中古での購入を検討している方や、今使っているモデルからの買い替えを検討している方にとって、必ず役立つ「保存版」データです。
【一覧表】ThinkPad X13 歴代モデル年表
まずは、歴代モデルの主要スペックと進化のポイントを一目で比較できる一覧表をご覧ください。
| 世代 (発売年) | CPU世代 | 画面比率 | 重量 (最小構成) | メモリ | 進化のハイライト |
| Gen 1 (2020) | 第10世代 Core Ryzen 4000 | 16:9 | 約1.18kg〜 | DDR4 | X390の後継として誕生。Wi-Fi 6対応。 |
|---|---|---|---|---|---|
| Gen 2 (2021) | 第11世代 Core Ryzen 5000 | 16:10 | 約1.19kg〜 | LPDDR4X | 画面が縦に広くなる (WUXGA化)。 5G対応。 |
| Gen 3 (2022) | 第12世代 Core Ryzen 6000 | 16:10 | 約1.19kg〜 | LPDDR5 | デザイン刷新。FHDカメラ搭載可。 |
| Gen 4 (2023) | 第13世代 Core Ryzen 7000 | 16:10 | 約1.09kg〜 | LPDDR5 | OLED選択可能に。 カメラ部が突起状に変化。 |
| Gen 5 (2024) | Core Ultra (S1) Ryzen 8000 | 16:10 | 約1.12kg〜 | LPDDR5x | AI PC化 (NPU搭載)。キー配列変更。 |
| Gen 6 (2025) | Core Ultra (S2/S1) Ryzen AI 300 | 16:10 | 約933g〜 | LPDDR5x | 日本向け900g台軽量化。 Copilot+ PC対応。 |
大きな転換点は、画面が縦長になった「Gen 2」と、劇的に軽くなった「Gen 6」です。
世代別解説:進化の歴史を振り返る
ここからは、各世代ごとの詳細な特徴と、現在の中古市場における「狙い目度」を解説します。
特徴: ディスプレイ上部が少し出っ張る「コミュニケーションバー」デザインが定着。500万画素カメラやOLED(有機EL)パネルが選択可能になり、映像美と軽さを追求したモデルです。
中古の狙い目度:★★★☆☆
- まだ新しく価格が高めですが、OLEDモデルが見つかれば映像視聴用に最適です。
- 特徴: 名機「X390」の筐体をほぼそのまま引き継ぎ、CPUをアップデートしたモデル。画面比率は従来の16:9(1920×1080)で、ベゼル(枠)が上下に少し太いのが特徴です。
- キーボード: 伝統的な深めのキーストロークがあり、打鍵感は良好。
- 中古の狙い目度:★☆☆☆☆
- Windows 11には対応していますが、画面が狭く感じるため、今から選ぶメリットは薄いです。
- 特徴: ディスプレイが16:10(1920×1200)に変更され、縦方向の情報量が増加。ExcelやWeb閲覧の効率が飛躍的に向上しました。Thunderbolt 4にも対応し、現在のモバイルPCの標準スペックを満たしています。
- 中古の狙い目度:★★★★☆(コスパ最強)
- 中古市場での流通量が多く、価格もこなれています。実用性を重視するなら最もコスパが良い世代です。
- 特徴: 筐体デザインがモダンになり、天板にカーボン素材(オプション)を採用するなど軽量化への意識が高まりました。Webカメラの性能が向上し、リモートワーク需要に応えた仕様になっています。
- 中古の狙い目度:★★★☆☆
- 第12世代Coreは性能が高い反面、バッテリー持ちに個体差がある世代です。状態が良いものがあれば買いです。
- 特徴: ディスプレイ上部が少し出っ張る「コミュニケーションバー」デザインが定着。500万画素カメラやOLED(有機EL)パネルが選択可能になり、映像美と軽さを追求したモデルです。
- 中古の狙い目度:★★★☆☆
- まだ新しく価格が高めですが、OLEDモデルが見つかれば映像視聴用に最適です。
- 特徴: 初めて「Core Ultra (Meteor Lake)」や「Ryzen 8000」といったAI処理(NPU)を強化したCPUを搭載。キーボードの「Fn」と「Ctrl」の位置が逆(左下がCtrl)になるなど、操作系にも変更が入りました。
- 中古の狙い目度:★★☆☆☆
- 性能は良いですが、重量が1.1kg台とまだ重さが残るため、持ち運び重視なら次のGen 6を待つべきです。
- 特徴: 「日本市場向けの軽量化」を掲げ、ついに約933g(Intel版)を実現。AMD版はCopilot+ PCに準拠し、ThinkPad X13史上、最も「軽く」「賢い」モデルへと進化しました。
- 狙い目度:★★★★★(新品購入推奨)
- 予算が許すなら、歴代最高の完成度を誇るこのモデル一択です。
ここが変わった!X13の進化ポイント
ThinkPad Xシリーズは「変えないこと」も美学としていますが、時代の要請に合わせて大胆に進化した部分もあります。
【ディスプレイ】 16:9 から 16:10 へ

Gen 1までは「1920×1080」でしたが、Gen 2以降は「1920×1200」になりました。たった120ピクセルの差ですが、タスクバー分以上の領域が広がり、書類作成の快適さが段違いです。
【筐体・重量】 素材の進化
初期はグラスファイバー強化プラスチックが主でしたが、世代を重ねるごとにマグネシウム合金やカーボンファイバーの比率を高め、堅牢性を維持しながら軽量化を進めてきました。
【メモリ】 完全オンボード化

かつてのX200番台(X270等)まではメモリ交換が可能でしたが、X13シリーズは全世代でメモリがオンボード(基盤直付け)です。
つまり、購入後にメモリを増やすことは絶対にできません。 中古で購入する際は、8GBではなく必ず16GB以上のモデルを選びましょう。
失敗しない中古・型落ちモデルの選び方

もしあなたが中古でThinkPad X13を探しているなら、以下の3つの条件を満たすものを探してください。これだけで「ハズレ」を引く確率は激減します。
- モデルは「Gen 2」以降を選ぶ
- 画面比率16:10の恩恵は非常に大きいです。Gen 1は安くても避けましょう。
- メモリは「16GB」必須
- 前述の通り増設不可です。Windows 11時代に8GBはストレスの原因になります。
- 液晶は「FHD / WUXGA (1920×1200)」を選ぶ
- 稀に低解像度(HD+など)や、視野角の狭いTNパネル(PrivacyGuard含む)が混ざっています。「IPS液晶」と明記されているか確認しましょう。
公式サイトの現在のX13のランナップ
レノボ公式サイトにおける主要ラインナップと価格情報は以下の通りです。 最新のGen 6だけでなく、コスパに優れた古いモデルもセール対象になっています。

X13 Gen 5 Intel
157,410/13.3インチ/約968g~
年末大特価セール
まとめ:あなたにおすすめの世代は?
ThinkPad X13の歴史は、ビジネスモバイルの進化そのものです。
- とにかく安く、でも快適に使いたい
- 👉 Gen 2 (2021) の中古(メモリ16GB)がコスパ最強の正解です。
- 最新のAI機能と、圧倒的な軽さが欲しい
- 👉 Gen 6 (2025) の新品が、あなたの期待に120%応えてくれます。
自分の予算と用途に合わせて、最適な世代のThinkPad X13を見つけてください。それはきっと、あなたの仕事を支える頼もしい相棒になるはずです。
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