ThinkPad L14 Gen 6 AHP レビュー｜AI対応14型ビジネスノートの実力

5つの特徴

ThinkPad L14 Gen 6 AHP（AMD）は、AI性能・管理性・拡張性・堅牢性・接続性をバランス良く備えた、企業・個人どちらにも選びやすい14型ビジネスノートです。ここからは、各仕様やユーザー体験をより詳しく見ていきます。

製品仕様まとめ

項目	内容
OS	Windows 11 Pro 64bit Windows 11 Home 64bit Windows 11 Home Single Language Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024 / 2021 Ubuntu Linux / Linux（※一部機能制限あり）
プロセッサー	AMD Ryzen™ PRO （Hawk Point） ・Ryzen 3 PRO 210（740M） ・Ryzen 5 PRO 215（740M） ・Ryzen 5 PRO 230（760M / 16TOPS） ・Ryzen 7 PRO 250（780M / 16TOPS） Ryzen™ AI PRO （Krackan Point） ・Ryzen AI 5 PRO 340（840M / 50TOPS / Copilot+ PC対応） ・Ryzen AI 7 PRO 350（860M / 50TOPS / Copilot+ PC対応）
グラフィックス	AMD Radeon™ 740M / 760M / 780M / 840M / 860M（統合型GPU、DirectX 12対応）
メモリ	8GB / 16GB / 32GB / 64GB （DDR5-5600、SODIMM×2、デュアルチャネル、最大64GB）
ストレージ	256GB / 512GB / 1TB / 2TB SSD （M.2 2280／PCIe 4.0 x4／OPAL 2.0対応）
ディスプレイ	・14型 WUXGA（1920×1200）IPS／400nit／非光沢／45% NTSC（非タッチ） ・14型 WUXGA（1920×1200）IPS／400nit／タッチ対応（10点） ・14型 WUXGA（1920×1200）IPS／500nit／100% sRGB／Eyesafe 2.0
カメラ	・HD 720p（プライバシーシャッター付き） ・5MP RGB＋IR（Windows Hello対応、TNR搭載）
キーボード	フルサイズ（6列）／JIS or US配列／防滴仕様 バックライト有無を選択可／Copilotキー搭載
指紋センサー	選択可能（電源ボタン一体型）
インターフェース	・USB4（Thunderbolt 4相当）×2 ・USB-A 3.2 Gen1 ×2（うち1つAlways On） ・USB-A 2.0 ×1 ・HDMI 2.1 ・RJ-45（1GbE） ・ヘッドフォン／マイク端子 ・スマートカードリーダー（選択可）
ワイヤレス通信	Wi-Fi 7（MediaTek MT7925）＋ Bluetooth 5.4 WWAN（LTE CAT6 / CAT16・eSIM対応、選択モデル）
イーサネット	10BASE-T / 100BASE-TX / 1000BASE-T
オーディオ	Dolby Atmos® 対応ステレオスピーカー（2W×2） デュアルマイク（360°・Elevoc Voice）
本体寸法	約 313.7 × 226 × 11.3〜17.3mm（素材により異なる）
重量	約1.38kg〜
バッテリー	46.5Wh / 57Wh Rapid Charge対応（1時間で約80%） ユーザー交換可能（CRU対応）
駆動時間（JEITA3.0）	動画再生：約12.08〜10.58時間 アイドル：約22.46〜21.44時間
本体カラー	ブラック
堅牢性	MIL-STD-810H 準拠
筐体素材	PC-ABS、アルミ、PC-CF（モデルにより組み合わせが異なる）

インターフェース

ThinkPad L14 Gen 6 AHP は、ビジネス利用に必要な端子をしっかり備えており、外部ディスプレイ・周辺機器・ネットワークへの接続がスムーズに行える実用性の高い構成になっています。

おすすめ構成とカスタマイズの注意点

CPUの選び方

ThinkPad L14 Gen 6 AHP のCPUは、Ryzen 3 / Ryzen 5 / Ryzen 7 の Hawk Point 世代（PRO 200シリーズ） を中心に選択でき、上位では NPU搭載の PRO 230 / 250 により AI処理性能も向上します。

オフィス作業中心の軽めの用途から、マルチタスク・AI処理まで幅広い業務に合わせて選べるため、用途に最適なCPUを選ぶことが重要です。

ここでは、それぞれの性能・特徴・向いている用途をわかりやすくまとめます。

CPU 詳細比較表

プロセッサー	コア／スレッド	最大クロック	GPU	NPU	特徴	用途のおすすめ
Ryzen 3 PRO 210（標準）	4C / 8T	最大4.7GHz	Radeon 740M	–	軽量作業に十分な性能。価格重視の構成。	Web、メール、Word/Excel軽作業、社内端末向け
Ryzen 5 PRO 215	6C / 12T	最大4.7GHz	Radeon 740M	–	マルチタスクに強く、日常業務に最適。コスパ◎	Teams会議＋資料作成、ブラウザ多用
Ryzen 5 PRO 230（AI対応）	6C / 12T	最大4.9GHz	Radeon 760M	最大16TOPS	AIアシスト・画像処理・高速応答性に強い。	AI機能の活用、画像編集、軽いクリエイティブ作業
Ryzen 7 PRO 250（AI対応・上位）	8C / 16T	最大5.1GHz	Radeon 780M	最大16TOPS	マルチタスク最強、iGPUも高速。長期運用に最適。	大きなExcel、画像編集、AI処理、開発用途

OS

ThinkPad L14 Gen 6 AHPのOSは、個人利用であれば標準の「Windows 11 Home」で十分ですが、企業でのデバイス管理やセキュリティポリシー運用を前提とする場合は「Windows 11 Pro」を選ぶことでBitLocker管理やグループポリシーなどの高度な機能が利用でき、特にvPro構成や社内IT管理下で運用する予定があるユーザーにはPro版が最適です。また、導入OSの言語は日本語版が基本ですが、海外ユーザーや社内グローバル環境で利用する場合は英語版（US/UK）を選択しても追加費用は発生しません。

Microsoft Office

ThinkPad L14 Gen 6 AHP の Office は、すでに Microsoft 365 を契約しているユーザーや企業でボリュームライセンスを利用している場合は「なし」を選べば無駄な追加費用がかからず、Teams・Word・Excel などもクラウド版で問題なく使えます。

一方で、買ってすぐに Word・Excel・PowerPoint のデスクトップ版を使いたい人や、インターネット接続が不安定な環境でローカルアプリとして運用したいユーザーには「Office Home & Business 2024（プリインストール版）」が最適で、セットアップが簡単なうえに買い切り型なので長く使う環境に向いています。

メモリー

ThinkPad L14 Gen 6 AHP のメモリは SODIMM スロット式で増設・換装が可能です。容量は 16GB／32GB／64GB から選べ、用途に応じて最適な構成が異なります。また、2枚構成のデュアルチャネルのほうがメモリ帯域が広がり、体感速度が向上するため、同じ容量でも「2×8GB」や「2×16GB」が通常は有利です。ただし、後で増設する予定がある場合は、1枚構成（シングルチャネル）で購入しておくと拡張が容易になるというメリットもあります。

用途別メモリ早見表

用途	推奨容量	備考
一般的なビジネス作業（Office / Web / Teams）	16GB	換装予定なし → 2×8GB（デュアル）がおすすめ後で増設したい → 1×16GB（シングル）
タブ大量＋複数アプリ並行作業	32GB	快適性重視なら 2×16GB（デュアル）
画像編集・AIアシスト活用（PRO 230/250）	32GB	NPU活用には16GB以上必須
開発用途・仮想環境・重作業	64GB	2×32GB（最大構成）
3〜5年の長期利用を想定	16〜32GB	将来増設するなら1枚構成で購入

ストレージ

ThinkPad L14 Gen 6 AHP のストレージは、PCIe Gen4 SSD（M.2 2280）を1基搭載可能です。容量は 256GB／512GB／1TB から選べ、いずれも高速な NVMe SSD のため動作はキビキビしています。

容量で迷ったときは、「どれだけローカルにデータを置くか」が判断のポイントになります。写真や動画を扱わない一般的なビジネス用途なら 256〜512GB で十分ですが、アプリを多く入れる・長期運用・大きなデータを扱う場合は 1TB が安心です。なお、後から交換も可能なので、予算に合わせて最低限の容量を選ぶこともできます。

用途別おすすめストレージ容量

用途	推奨容量	備考
一般的なビジネス（Office / Web中心）	256GB	クラウド中心の運用なら十分
Teams会議＋Office＋アプリ多数	512GB	快適でバランスの良い容量
写真保存・データ量が多い業務	1TB	余裕のある長期運用向け
開発用途 / 仮想環境	1TB	VMを使うと256GBは不足しやすい
コスト重視しつつ後で換装したい	256GB	M.2スロット交換可能で拡張性◎

ディスプレイ

ThinkPad L14 Gen 6 AHP のディスプレイは、いずれも 14型 WUXGA（1920×1200）・IPS・400nit・反射防止で、ビジネス用途に十分な明るさと視野角を備えています。

違いは タッチ対応の有無のみで、画質や色域（45% NTSC）は共通です。資料作成中心のユーザーや価格重視なら非タッチ、外出先での操作性を重視するならタッチ対応が便利です。

用途別おすすめディスプレイ

仕様	非タッチ（標準）	タッチ対応（+13,200円）
解像度	1920×1200（WUXGA）	1920×1200（WUXGA）
パネル	IPS	IPS
明るさ	400 nit	400 nit
表面処理	反射防止（アンチグレア）	反射防止（アンチグレア）
色域	45% NTSC	45% NTSC
操作性	マウス・キーボード操作	指で直感的に操作できる
向いている用途	価格重視、Office作業中心	タッチ操作を使いたい、外出先での操作性重視

内蔵カメラ

ThinkPad L14 Gen 6 AHP の内蔵カメラは標準の「720p HDカメラ」と、より高画質な「500万画素＋IRカメラ」の2種類から選べます。

標準の720pカメラでも通常のWeb会議には問題ありませんが、顔の明るさやディテールが不足しがちなため、TeamsやZoomなどで見た目の印象を重視したい場合や、ノイズの少ない映像を求めるユーザーには500万画素カメラが大きく有利です。

また、上位モデルにはIRカメラが追加されるため、Windows Hello の顔認証が利用でき、パスワード入力なしでロック解除できる点は毎日の使い勝手に直結します。プライバシーシャッターは両モデルに備わっているので、セキュリティ面でも安心して使える構成です。

WWAN

ThinkPad L14 Gen 6 AHP は、4G LTE（CAT6）に対応した WWAN モデルを選択できます。外出先でも安定したネット接続を確保したいユーザーには大きなメリットがあります。

標準は 「なし」 ですが、以下のようなケースでは WWAN 搭載が非常に便利です。

• 社外でのオンライン会議が多い
• 出張・外回りが多く、常にネット接続が必要
• カフェ・ホテルの Wi-Fi が不安定で仕事に支障が出る
• VPN接続を常に使うため、自前回線が必要

SIMカードは eSIM対応（物理SIMなし） のため、キャリアのeSIMプランを契約すればすぐに使い始められます。

基本的には、Wi-Fi中心の利用なら「なし」で問題ありません。
逆に、“どこでも安定したネット環境が欲しい”なら LTEモデルが安心 です。

指紋センサー

ThinkPad L14 Gen 6 AHP の指紋センサーは、電源ボタン一体型のタッチ式が選択可能で、Windows Hello による素早いログインや業務アプリの認証をスムーズに行えるため、セキュリティ性と利便性の両方を高めたいユーザーにとっては費用対効果の高いオプションです。

特にテレワークや外出先での使用が多い場合、パスワード入力の手間がなくなるため作業開始までのストレスが減り、盗み見による情報漏洩のリスクも抑えられます。一方、自宅使用がメインでセキュリティ強化が不要、あるいは顔認証付きカメラを選択する予定がある場合は「なし」でも十分運用可能です。

カード・スロット

ThinkPad L14 Gen 6 AHP のカードスロットは、一般ユーザーであれば「なし」で問題ありませんが、企業の入退室連携やPCログインの二要素認証にスマートカードを利用している環境では、スマートカードリーダー搭載モデルを選ぶことで社内システムとの互換性が確保でき、セキュリティレベルも大幅に向上します。

情報システム部がカードログインを標準化している企業では必須となる場合も多く、法人導入やセキュリティ要求が厳しい業務環境で運用するユーザーにとっては非常に有用なオプションです。

一方、個人利用や一般的なテレワーク用途では利用機会がほとんどないため、基本的には追加不要です。

キーボード

ThinkPad L14 Gen 6 AHPのキーボードは、日本語・英語レイアウトに加えて、バックライト付き/なしを選べる柔軟な構成になっており、入力スタイルや利用シーンに合わせて最適な組み合わせを選ぶことができます。

日本語配列は最も一般的で慣れやすく、外資系企業とのやり取りやUS配列に慣れているユーザーは英語配列を選ぶことでキーの間違いが減り、ショートカット操作もしやすくなります。

また、暗い場所での作業や出張・移動中の使用が多い場合はバックライト付きキーボードを選ぶと視認性が大きく向上し、夜間の作業でも快適に入力できます。

どのレイアウトでもThinkPad伝統の打鍵感は共通しているため、好みの配列と使い方に合わせて選べば失敗のない構成です。

選択肢一覧

オプション	価格	特徴
ブラック・日本語（標準）	追加費用なし	最も使いやすく一般的。初めてのThinkPadにも最適。
ブラック・英語（+1,100円）	+1,100円	US配列に慣れたユーザー向け。ショートカット操作がしやすい。
バックライト付き・日本語（+3,300円）	+3,300円	暗所での視認性UP。夜間作業が多い人におすすめ。
バックライト付き・英語（+4,400円）	+4,400円	もっとも快適・高機能な構成。US配列＋暗所作業に最適。

日本語キーボードと英語キーボード。写真はE14モデルの写真です

バックライトキーボードが光っている様子

バッテリー

ThinkPad L14 Gen 6 AHPのバッテリーは 46.5Wh と 57Wh の2種類から選べ、どちらも Rapid Charge（1時間で約80％）に対応しているため使い勝手は同等ですが、外出先で長時間の作業が多いユーザーや、Teams会議を連続で行うようなワークスタイルでは、容量が約20％大きい 57Wh バッテリーを選ぶことで駆動時間に余裕が生まれます。

一方、オフィス利用が中心で常に電源にアクセスできる環境では標準の 46.5Wh でも十分で、軽さを重視したい場合はこちらが最適です。

バッテリー寿命は使用環境や経年で徐々に低下するため、長く使う予定のユーザーは初めから大容量構成を選んでおくと安心です。

電源アダプター

ThinkPad L14 Gen 6 AHPに付属する電源アダプターは、標準の「65W USB-C ACアダプター」で多くのユーザーにとって十分な充電性能を備えており、自宅・オフィスでの据え置き利用が中心であれば追加費用をかける必要はありません。

一方で、持ち運びが多いユーザーやカバンの中身をとにかく軽量化したい人には、より小型で発熱が少なく効率の良い「65W USB-C スリム GaN アダプター」が便利で、標準品よりも薄型・軽量のためモバイルワークとの相性が良い選択肢になります。どちらのアダプターもUSB-C PDに対応し、Rapid Charge（1時間で約80%充電）をサポートしているため、充電速度に差はなく、好みや利用シーンで選ぶのが最適です。

市販のさらに小型のアダプターも使えます！

まとめ

ThinkPad L14 Gen 6 AHP は、最新の AMD Ryzen™ PRO（Hawk Point / Krackan Point） を搭載し、AI処理、マルチタスク、ビジネスアプリの高速動作をしっかり支える「コスパと性能のバランスに優れた14型ノート」です。

最大 50TOPS の NPU（Ryzen AI） によるローカルAI処理、拡張しやすい デュアルスロット式メモリ（最大64GB）、PCIe Gen4 SSD、そして外部3画面出力に対応した豊富なインターフェースなど、実務で必要な要素をきちんと押さえているのが魅力。

さらに、MIL-STD-810H準拠の堅牢性、指紋認証＋IR顔認証（選択可）、スマートカード、TPM 2.0など ThinkShieldの多層セキュリティ によって、長期間の企業導入にも安心して使える信頼性を備えています。

バッテリーは交換可能（CRU対応）で、将来的なメンテナンス性にも優れ、Wi-Fi 7 や LTE（CAT6/CAT16）にも対応。

「長く安心して使える1台がほしい」「AIで業務の効率を上げたい」というユーザーに、L14 Gen 6 AHP は非常に満足度の高い選択肢です。

コストを抑えつつ、性能も拡張性も妥協したくない。
そんなビジネスパーソンの期待に応える、実用性に優れた1台です。